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無限大図書の底  作者: うにくらげ
仕事がたまってますよ?
16/18

七不思議#4

僕は自動販売機。僕は自動販売機だからしゃべらない。僕はただの自動販売機じゃない。でも、所詮自動販売機だからね。ここから動くことは出来ないんだ。電気が途切れたら死ぬんだ。






 真っ暗な部屋。一人暮らしに丁度良さそうな広さの部屋には、奥で弱弱しく光る自動販売機が見えた。自動販売機の前まで行くと、そこで売られている商品が何か見ることが出来た。


【天国行きチケット 1兆円】

【第5階層神になるチケット 1億円】

【第4階層神になるチケット 100億円】

【第3階層神になるチケット 1000億円】

【第2階層神になるチケット 2000億円】

【第1階層神になるチケット 1兆円】


【地獄見学ツアーチケット 100万円】

【天国見学ツアーチケット 100万円】


【大図書館株 1株3万】

【天国株 1株3万】

【地獄株 1株3万】


etc....


「色々あるな。天国行きチケットはいいとして、第何階層神になるチケットってなんだ?説明文も何もないし。それに株ってこの図書館株式だったのか、、天国と地獄もかよ。」


 俺が他に売られている物をじっくり見ていると、後ろからエレベーターが到着する音が聞こえた。白さんかと思ったが、中からはイラナが現れた。


「あ!」

「、、あ。」

「まさと君?掃除さぼってこんな所にお買い物?」

「い、いえ、、イラナ、、いえ管理人様。決してサボっていたわけでは。」


 すると、意外にも機嫌がいいのかあっさりと許してくれた。


「まぁ、いいわ。ルソバが大体やってくれちゃったみたいだしね。それにやっと、お金が貯まったし。」


 イラナは自動販売機のスイカをタッチ(?)する所に手をやり、迷わず【第2階層神になるチケット 2000億円】のボタンを押した。すると、販売機から銀色に光るチケットが出てきた。それには、よくわからない文字や記号が書かれていた。


「それ、なんですか?」

「名前のまんま、第2階層神になるチケットよ。」

「それ、何か役に立つのです?」

「5、4、3、2、そして第1階層神のチケットを全部取るとね。何処かの世界に神様として送られるのよ。私は天国とか行ったり、転生とかしないでこのままでいたいから。」


 なるほど、すべて集めると神様として現生(地上)に帰れるということか。


「もうここで200年は生活してるし、そろそろ飽きてきわ。といっても、後、1兆円必要なわけだけどね~。」

「なるほど、、200年で3000億円か、、後600年で合わせて800年と、、、。」

「ま、私はあのバベルの塔で凄い稼いでこれだから、あなたはこれの数倍かかるんじゃないかしら?」


 これの数倍、、数千年ここで過ごす可能性があるというわけだ。


「えぇ、、え。」

「ま、頑張ることね!あ、そうそう現世渡航チケットって物もあるのよ。」


 イラナは自動販売機の一か所を指さす。そこには

【現世(地上)渡航チケット 100円】

と書かれた破格の値段のチケットがあった。


「!?安すぎないですか?」

「まぁ、安いわよ。でも何処に飛ばされるか分からないわ。それに一方通行だし。」


何処にということは、砂漠や太平洋の真ん中に放り出されるということだろうか?それとも宇宙のどこか?


「?それって砂漠に放り出されたり?」

「いえ、そういえば根本的な話になるわね。私が住んでいたところは、アスカラ帝国っていう国よ。まだ存在してたはずだわ。館長の書いた本に書いてあったから確かよ。」

「ん?そんな国、、。いや、そもそも帝国なんて、このご時世に存在しないのでは?」

「っと、私も最初驚いたけど、色々な世界があるって分けよ。よく分からないけど、同じ地球でも違う地球ってことね。」


なるほど、納得は出来ないが。いや、無理やりでも納得するべきか。俺の住んでいた世界以外にも、他の世界があるということを。そもそも、ここだってある意味別世界だ。


「っとなると。アルとか白さん黒さんも別の世界から?」

「ん~そうね。確かアルだけは、遊びすぎて天国から落とされたとか言ってた気がするわ。」

「え、天国って遊ぶの駄目なの?」

「いえ、確か、、天使で遊びすぎたとかなんとか。」


それはどっちの意味で遊びすぎたのだろうか、と疑問に思う。アルの事だから、笑いながら天使の羽をもぎ取る遊びとかしてそうだ。ま、あくまでも印象だが。


とそんな話をしていると、イラナは俺の手に持っている本に気が付いたらしい。「それ!」と指を指す。俺はそれをイラナに手渡す。


「懐かしいわね。あ!なるほど。だから、今ここにいるのね。」

(正解!!)


いつからいたのか、先ほど別れたばかりの白さんがイラナの頭の上に現れた。頭からピョンっと飛び降りると、そのままスタンプをポンと押した。


「白?いつの間に、、というか後1つじゃない。」



【大図書館における七不思議】

①、誰も掃除しないのに綺麗な図書館

②、大図書館館長の所在

③、誰も乗ってないのに動くエレベーター

4、入ったら帰ってこれない4444階にある扉

⑤、地下にある自動販売機

⑥、大図書館のある場所

7、不明



(4444階にある扉だね。)

「そうだね。なんか名前からしてヤバそうなんだけど。」

「ま、ヤバイわね。でも、命の保証はするわ。もう死んでるけど。」

「えぇえ、今ここで内容教えてくれませんか?」

「いやよ、面白そうだもん。」

(面白そうだもん。)


 ここで教えてくれれば、アルの所に行ってゲームクリアなのだがなぁ。嫌なことが起きるのは確実な所に行きたくないんだがな、、。俺がためらっていることなんてお構い無しに、イラナと白さんは俺をエレベーターに押し込めて、ボタンを押す。


「いや、あの、ちょっとまだ心の準備が。」

「大丈夫!安全よ!」

(安全だわ!)

「でも帰ってこれないって!安全でも意味ないのでは!」

「( )」

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