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チョロイン☆デビュー!  作者:
旅立ち
3/79

第二話「そこは主役のポジションです」

ジェイドとかいう無駄に美形野郎が、ハーレムから抜け出して私の枕もとに座る。

うーん…、ここで惚れたりしなきゃいけないパターンなのか?

もしもこの世界が前世の創作物とかだったりすれば、恐らくチョロインである私はこいつのハーレムに取り込まれてしまう。

――気分は魔王と戦う勇者だ。気分だけは。

だが、これは負けイベントじゃない…そうだ、私には中の人がいる!AIとは違うんだ。


「…さてと、気分はどうだ?」

「……自分にもよく分からない」

「ふーん…じゃ、何で空から降ってきたんだ?しかもそれで大怪我」

「分かってたらさっきの幼女に言ってる」

「幼女?…ああ、クリスのことか」

「クリスというのか、あのボクっ娘は」

「……へぇ、この世界にもそういう文化は存在するのか」


…は?格好つけるな。

この世界「にも」――って、転生してきたみたいに言うな!


って、あれ…?


「……この世界にも?」

「あぁスマン、忘れてくれ」

いや、私は一般市民でなく、魔法の使えない現代社会の日本人なのですが。今は違うっぽいが。


――にしても、やばそうな事実が判明した。

もしや、この世界って転生者がそんなに珍しくない感じなのか?

それともあれか、こいつと私の二人だけが偶然出会った…って、それじゃ私は確実にオトされるじゃん。

だけど、こいつがチート系御都合主人公であれば猫型ロボット並みに活躍するだろう。

「…なぁ、ジェイド…とかいったか?」

「ん?何だ?」

「私さ、前の記憶が全然無くなってんだけど…どうすりゃいいと思う?」

私はそう言って、主役気取りのこいつに問題を課した。

ハーレムの中心たるもの、このくらいは解決してみせよ!…というのがひとつで、

とりあえず主人公補正で何とかしてくれ、私は語り手やるから…というのがふたつ。

にしても、私はこんなにハーレムに執着する奴だったのか?こんなヒロイン嫌だ……。


「う…ん、そうだな…。」

ジェイドは首を捻り、考えているような仕草をしてみせる。

早くしてくれ。寝てるだけで私は暇してるんだ。

「――とりあえず、治ったら俺らと一緒に来ないか?」

「……お前らと?……どこに?」

「決まってんだろ、パーティー組まないかって言ってんだよ」

「ぱーてぃー…あー。それで、メンバーは?」

「クリスが回復役で、俺が戦士、もう一人双剣使いがいる」

「幼女がいるのか。決めた、今日から我らは仲間だ」

わざとらしく私は言ってみせた。

幼女がいてもいなくても、恐らく私はこいつに着いて行ってたハズだ。

もしこいつが日本人だろうが他からの転生者だろうが、私と同じ境遇なのには変わりないからな。

…ハーレムのありなしという、大きな違いはあるが。

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