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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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卒業してから10年が経ちました。

あれから、10年が経ちました。

そうです。

ありさが中学校を卒業してから10年が過ぎたのです。

ありさは、25歳になり保育士の仕事をしていました。

そして、秀樹くんは美容師の国家試験に合格して

美容師として働いていました。

私は、80歳を超えたおばあさんになりました。

その間に私の親友であった美津子さんは、

虹の橋を渡っていきました。

おしゃべり好きのおみっちゃんだから、きっと天国で

私との思い出を夏美さんに話していると思います。

夏美さん、おみっちゃん、空の上から見守っていてね。

さて、お話の本題に入りましょう。

今日は、大安吉日の良き日に恵まれました。

この日に、ありさが結婚式を挙げることになりました。

お相手は、もちろん秀樹くんです。

思えば、ありさが秀樹くんにチョコレートを渡した時に

秀樹くんから大人になったらお嫁さんになってと言ったのが

昨日のことのように思い出されます。

あの時は、ありさと秀樹くんは中学1年生でした。

それからずっと、ありさと秀樹くんは交際を続けていました。

この結婚式のために、ひとみが宝塚から帰ってきました。

ひとみは、宝塚歌劇団の新人公演で

主役の男役を演じるまでになっていました。

ボーイッシュな格好だっただけに、ファンの子が騒いでいました。

「父さんのスーツでは、丈が短いからな。

緊急でレンタルのスーツを頼んだが、サイズはどうだ?」

「うん、これで十分だよ。お父さん、ありさがいなくなるの寂しくなるね」

「そうだな、嫁に出すのは寂しいものだな」

「お父さん、ありさは秀樹くんがついているんだよ。

それに、信吾先生と美沙子先生がいるから心配ないよ」

ひとみが美沙子さんを先生と呼ぶようになったのは、

宝塚音楽学校に入ってからでした。

思えば、美沙子さんに自分の芸名をつけていただいてから

小説家のペンネーム甘夏BOYではなく、芸名の名付け親として

美沙子さんを先生と呼んでいたのです。

「正也、ひとみ、今日の結婚式に夏美さんにも

見てもらおうと思って連れてきたよ。

夏美さん、もうすぐありさの花嫁姿が見れますよ」

「おばあちゃん、お母さんに一目でいいから

ありさの花嫁姿見せたかったね」

「そうだね、お母さんが亡くなった時は幼稚園の時だったからね」

「私、お母さんが亡くなった時は寂しかったけど、

絶対に泣くまいって思っていた。

だって、私よりもお父さんが辛いのわかっていたから」

夏美さん、聞きましたか?

ひとみは、あなたが亡くなった時に泣き言を言わなかったのは

正也を気遣っていたんですよ。

そういう気持ちを持った子に育ってくれたこと。

そして、宝塚で立派に成長をして劇団の先輩に

可愛がられるようになったこと。

私は、本当に嬉しいですよ。

「花嫁さんのお支度が整いました」

ありさが白無垢の花嫁衣装を着て入ってきました。

「ありさ、綺麗だよ」

「ありさ、秀樹くんと幸せにね」

「お姉ちゃん、おばあちゃん、ありがとう」

夏美さん、見ていますか?

ありさの花嫁姿を…。

お義母さん、見えますよ。

ありさの花嫁姿、とても綺麗ですよ。

お義母さん、ありさをここまで育ててくれて

ありがとうございます。

私が生きていたら、お義母さんにお礼が言いたいです。

夏美さん、あなたの気持ちわかっていますよ。

どうか、これからの秀樹くんとありさの未来を

見守ってあげてください。

私も、いつか虹の橋を渡って空の上に行く時が来ます。

それまで、待っていてください。

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