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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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孫たちのプレゼント

早いもので5月の母の日が来ました。

孫たちは母の日になるとカーネーションを買ってきて

夏美さんのお墓参りに行きます。

最近、親戚から孫たちのためにもと正也に再婚話を持ち掛けていますが、

私が断ってきました。

それは夏美さんの思い出を消したくないこと、

そしてなによりも孫たちの笑顔を消したくなかったからです。

母の日に夏美さんが毎年カーネーションを贈ってくれた思い出があります。

実の母親を早くに亡くした夏美さんは私を大切にしてくれました。

そして今は夏美さんのお墓まいりと仏壇に飾られるようになりました。

孫たちは母の日にお墓詣りに行った後に自分たちで夕食をつくります。

最近では二人で料理をするようになってくれて助かっています。

「今日はビーフシチューをつくるよ。ママがいた時いつもつくってくれたから」

「やった、ママの思い出の料理だ」

「ありさ、包丁使うから手を切っちゃダメだよ」

「大丈夫だよ、調理実習で慣れているから」

おやおや、二人がつくるメニューが決まったようですね。

ビーフシチューは夏美さんが生きていた頃、

いつもつくってくれた思い出の料理です。

懐かしい我が家の料理をつくろうと頑張る孫たちの成長に嬉しくなりました。

やがて、孫たちの料理ができて夕食の支度が整いました。

「おやおや、今年は何をつくったんだい?」

「ビーフシチューだよ、ママの思い出の料理をつくったんだ」

「すごいね、ママがいたら喜んでいただろうね」

「おばあちゃん、これからもお料理教えてね。

ママの作ってくれた料理頑張ってつくるから」

なんて頼もしいんでしょう。

夏美さん。この子たちの頑張りを見てくれてますか?

今日は子供たちが頼もしく感じますよ。

毎年夏美さんを忘れないでいる子供たちが健気に見えますよ。

「今日はおばあちゃんにプレゼントがあります」

「おやおや、なんだろうね」

孫たちは私にプレゼントを渡しました。

プレゼントは花の模様のハンカチとカーネーションでした。

「お花は明日ママに飾ろうね」

と私が言うと、ひとみは

「これは、おばあちゃんの今までの感謝の気持ちだよ。

ママの代わりに頑張ってくれるおばあちゃんがいるから新しいママはいらない」

ひとみは知っていたのです。

正也の再婚話のことを・・・。

「ひとみ、ありさ、ありがとう」

「おばあちゃん、いつもありがとう」

ひとみは正也の再婚話で悩んでいる私に気づいていたんでしょう。

だから、夏美さんの代わりはいらないと言ったのでしょう。

ありがとう、ひとみ。

おばあちゃんの迷いは吹っ切れたよ。

これからも今までどおり家族仲良く楽しく暮らしましょうね。

「母さん、よかったな」

「ありがとう、正也。今日は最高の1日だよ」

「親戚の縁談断っていたの知っていたよ。

だけど安心して、オレの妻は夏美だけだから」

「そうかい、それを聞いて安心したよ。明日、お断りの返事伝えておくよ」

孫たちの気持ちも聞けて親戚からの縁談もお断りできます。

ありがとう、おばあちゃんは幸せだよ。

正也、あなたを産んで育ててきてよかったよ。

大人になって孫たちが産まれて幸せをたくさんもらったんだから。

夏美さん、安心してちょうだい。

尾崎家は今までどおり私たち家族だけで暮らしていきますよ。

「さて、お花は玄関に飾ろうかね」

「母さん、たった一本でも気持ちは伝わるものだな」

「そうだね、この子たちの健気な気持ちがわかるよ」

本当にそうです、

ひとみとありさの一生懸命さが神様に通じたのでしょう。

今までどおり家族で暮らすほうが私たちには幸せなんだということを・・・。

私たちは家族は変わらずに暮らしていきます。

夏美さん、空から見守っていてちょうだい。

子供たちが大人になるまで私は長生きしていきますからね。










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