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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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ママの思い出

9月になり学校は二学期になりました。

ありさには一つ悩みがありました。

それは母親について作文に書く宿題が出たことです。

みんな、それぞれ母親のことを書いてきました。

秀樹くんは悩んでいるありさにこう言いました。

「母ちゃんがいないからって落ち込むことないよ」と・・・。

「秀樹くん、ありさのママね幼稚園の時に天国に行ったの。

だけどね、ママはいつもおいしいご飯つくってくれたの。

だけど、ママはもういないの」

「ありさちゃんには、おばあちゃんがいるじゃないか!

おばあちゃんが雨が降った時いつも傘持って迎えに来てくれるじゃないか。

寂しい気持ちはわかるけど、卑屈になっちゃダメだよ」

「秀樹くんはママがいていいね」

「ありさちゃんはお姉ちゃんがいるじゃないか。

オレは一人っ子だから羨ましいよ」

「ありさが羨ましい?そんなことないよ、秀樹くんはママがいるじゃない」

「オレはね、本当は妹が産まれるはずだったんだよ。

だけど、母ちゃんが病気になって妹が死んじゃったんだよ」

「秀樹くん、妹いたの?」

「そうだよ、おじいちゃんは妹のために水子の供養塔をつくってくれた。

母ちゃんがお墓まいりの時いつも供養塔のお顔に口紅つけてあげるんだ。

寂しいのはオレだって同じだから」

それから学校から帰ってきたありさは作文を一生懸命に書きました。

夏美さんとの思い出や亡くなってからの今の生活を書きました。

秀樹くんの励ましがありさの悩みを消したのでしょう。

秀樹くん、ありがとう。

ありさは頑張って自分で作文を書きましたよ。

そして翌日、作文を発表する日が来ました。

それぞれみんなが一生懸命作文を発表しました。

ありさの作文にはこう書いてありました。

「私のお母さんは私が幼稚園の時に病気で亡くなりました。

お母さんが元気だったときは美味しいご飯をつくったり、

お姉ちゃんとおそろいの洋服や浴衣をつくってくれました。

私も大きくなったらお母さんみたいに洋服や浴衣がつくれるように

なりたいです」

この作文を夏美さんが聞いたらきっと喜んでいたでしょう。

クラスのみんなが大きな拍手をした時、ありさは嬉しそうでした。

そして、秀樹くんが発表することになりました。

秀樹くんの作文はこう書いていました。

「僕のお母さんは小説を書いています。ときどき読者の人からプレゼントを

もらっています。この間蟹が箱いっぱいに来た時はびっくりしました。

お母さんは金額にしたら1万円以上するのではないかとおばあちゃんと

話をしました。蟹は近所の人にお裾分けをして僕たちが食べれる分は

塩でゆでて食べました。とても美味しかったです。

お母さんは毎日パソコンの前で仕事をしています。

締め切り前になると大変なのに、それでも僕たちのために

ご飯をつくってくれます。

僕は、お母さんが頑張ると自分も頑張ろうと思います。

お母さん、いつもありがとう」

秀樹くんの蟹の話は本当です。

美沙子さんあてに来た宅急便に蟹の足がたくさん入っていたそうです。

私が美津子さんから話を聞いた時はびっくりしました。

蟹は私もいただきました。

北海道からの地元の蟹だったので美味しかったです。

「おみっちゃん、いいの?こんな高価な物」

「いいんだよ、うちでは食べきれないからすずちゃんにお裾分けするよ」

「ありがとう、おみっちゃん。しかし。お嫁さんすごい売れっ子じゃない」

「蟹がたくさん入っていたから。嫁はびっくりして何かお礼したほうが

いいかって息子に話したんだよ。そしてら息子が頑張って書いているから

贈ってくれたんだから頑張れって言ったそうだよ」

「お嫁さんの小説温かくて優しい文章だよ。できれば続けてほしいわ」

「ありがとう、すずちゃん。嫁が聞いたら喜ぶよ。あたしもじいさんも

嫁には頑張ってほしいと思っているからね」

学校では秀樹くんの作文で友達と話をしていました。

「秀樹の母ちゃん、すごいな」

「今度、蟹来たら教えろよ」

おやおや、今日は秀樹くんの蟹の話で持ち切りのようですね。

子供たちにしたら食べ物の話は一番ですからね。

夏美さんが生きていたら美沙子さんといいお友達になっていたでしょうね。

「ただいま」

「お帰り、ありさ」

「秀樹くんの作文で蟹の話が書いてあったよ。みんなが羨ましがっていたよ」

「そうかい、よかったね」

「おばあちゃん、ありさが5年生になったら洋裁と和裁教えてね。

ありさ、ママみたいに洋服や浴衣がつくれるようになりたいから」

「おばあちゃんはママのように上手じゃないけどいいのかい?」

「うん、頑張って練習する」

「そうかい、それじゃ5年生になったら教えてあげようね」

「ありがとう、おばあちゃん」

夏美さん、ありさはあなたに似たのかしら。

和裁と洋裁がやりたいと言うなんて嬉しいね。

本当なら夏美さん、あなたから教えてあげたかったでしょうね。

だけど、夏美さん安心して。

私がお嫁入り前に教えてもらった和裁と洋裁を

ありさに教えていくから。

あなたの代わりに私がひとみとありさを大人になるまで

育てていくから見守っていてちょうだい。






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