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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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嵐の前ぶれ

9月に入り、2学期が始まりました。

2学期に入り、来月の合唱コンクールに向けて練習が始まりました。

しかし、ありさのクラスでは毎回弥生ちゃんのお母さんが

学校に来て先生方を悩ませていました。

弥生ちゃんは合唱コンクールの曲目が気に入らなかったこと。

そして、自分がピアノを弾きたいと思ったこと。

それだけでなく、ありさが指揮をすることになったのが気に入らなかったこと。

いろんな不満があって弥生ちゃんのお母さんが指揮者を弥生ちゃんに

代わるように言ったことでクラスのみんなから総スカンくらっていました。

「酷いよな、ありさの指揮は1年生からの伝統なのにな」

「気にするなよ、ありさ」

「弥生の母ちゃんってさ、大人が言うキチママじゃないのか?」

「そうだよ、毎回毎回学校に怒鳴り込んで来て人の迷惑考えてないんじゃないか?」

「キチママで思い出したんだけどさ、オレが母ちゃんと一緒に

神戸のばあちゃんの法事に行った時に予約していた新幹線の指定席に

キチママと女の子が座っていたんだよ」

「そんなことあったのかよ?秀樹、詳しく教えろよ」

「それなんだけどさ、母ちゃんがダブルブッキングの可能性があるから

キチママに切符を見せろって言ったらプライバシーの侵害だって言って

見せるのを拒否ってきたんだよ」

「それでどうなったんだよ?」

「母ちゃんとキチママが揉めている時に車掌さんが来て切符を確認したんだ。

そしたらさ、キチママ親子指定席の切符持ってなかったんだよ」

「そしたら指定席じゃなく、自由席の切符持っていたのか?」

「それだったら、指定席分の差額料金を払ったらすむことだよね。

それで秀樹、ちゃんと席に座れたのかよ?」

「それがさ、キチママは切符持ってなくて入場券でタダ乗りするつもり

だったらしくて、車掌さんから親子一緒に新幹線から摘み出されたよ」

「えーっ、入場券で乗って行こうなんてマジでありえんやろ」

「キチママ、新幹線から降ろさせる時、母ちゃんに子供が可哀想だと思わないか?って

言ったから、母ちゃんは乞食に同情する余地はありませんって言った。

そしたらキチママ、他の指定席のお客さんに笑われていたよ」

「なるほどな、乞食に同情の余地なしって秀樹の母ちゃんカッコイイじゃん」

「ほんと、いつもカッコイイこと言うよね。さすが、小説家だけあって

キチママの撃退法を熟知していたんだね」

「オレの母ちゃんなんてガミガミ怒るばかりなんだよな」

「何言ってんだよ、遥斗の母ちゃん美人じゃんか」

「オレの母ちゃんが美人?翔太、おまえはオレの母ちゃんのことを

知らないからそう言えるんだよ。家帰ったら母ちゃん、毎日弟や妹と一緒に

ガミガミ怒ってばかりいるんだぜ」

まぁまぁ、みんなお母さんが大好きなんですね。

秀樹くんたちに励まされて、ありさも元気を取り戻してくれましたよ。

夏美さん、ありさをくじけないようにしてくれてありがとう。

きっと、合唱コンクールでは元気に指揮をしてくれますよね?

事の経緯を静かに見守っていきましょうね。







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