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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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母ちゃん、激怒

今年の6月は空梅雨に終わって7月に入りました。

私は冬美と健太にご飯とお水を取り替えていました。

お水といっても7月となると人間でも暑さに堪えるものです。

そこで冬美と健太のお水の皿にお水を入れてから氷を浮かべてあげました。

すると、冬美と健太は喜んで飲んでくれました。

やはり、犬でも暑さには堪えるようですね、

『冷たくて美味しいね』

『これだけの暑さだから気持ちいいや』

「冬美、健太、おうちに入ってお留守番しておくれ」

『わーい、おうちの中に入っていいんだ』

『クーラーの部屋に入っていいんだ』

『健太、おうちの中に入ったらドッグランのところで遊ぼうよ』

『賛成、ドッグラン大好き』

我が家には家のベランダをドッグラン専用の庭に改造して夏バテ防止と熱中症を兼ねて

犬たちを遊ばせています。

ときどき、我が家に近所の子供を勝手に置き去りにされることがありました。

当然ながら子供には動物アレルギーを持っていることもあるから預かれないと

警察に保護をお願いしていました。

その事が、ありさの学校にも広がってしまったようです。

この前の授業参観でも母親たちから

「少しでいいから預かっていいのにね」

「酷いわよね」

と私を白い目で見ていました。

この授業参観は1組と2組の合同だったのですが、

美沙子さんがひそひそと話す母親たちに怒りました。

「あなたたちは少しの間のお時間があるようですので、

これから子供の置き去りがあった場合は皆さんのお宅に

お預かりするようにいたしましょうか?

自分ではできないことを人に押し付けるなんて最低のすることですよ。

ここにいる皆さんも覚悟して聞いてくださいね。

今後、近所での子供の置き去りを見つけたら即通報してください。

子供を置き去りにするとは親失格です。よろしいですね」

いつになく強い口調で話す美沙子さんに他の母親たちから好感を得ていました。

「そうよね、あの人たちは勝手に託児所代わりに凸して犬にケガをさせたって聞いたわ」

「あたしも聞いた。信吾先生が着任した時に美沙子さんに怒鳴られて追い返されたって」

「なんだ、覚えてたの?どうも旦那がタイプだったのか、独身だったのかわからないけど、

何処の何方か存じませんがお手製のお弁当を毎日拵えて来られる方がいましたよね?」

「それってストーカーじゃないの?」

「そうよね、今で言えばストーカーしてましたよね?」

「うへっ、信吾先生確かにモテるけどストーカーにあったなんて初めて聞いた」

「それで、美沙子どうしたの?」

「とりあえず旦那と学校に行ったら学校の校門で待っている女性がいたわけよ」

「それで、どうしたの?」

「あたしさ、キレると関西弁出るんだよね。だから、そいつに言ってやった。

おめぇは人の旦那に色目使うのかってな。おめぇのような年増は旦那の眼中にねぇって。

このセリフに聞き覚えのあるヤツいるだろう?」

「ご、ごめんなさい」

「謝る相手間違ってんじゃないのか?ゴラァ」

美沙子さんはどちらかというと声が大きいほうで騒ぎは学校の廊下に筒抜けでした。

「ごめんなさい、許してください」

「謝る相手間違っているって言わなかったっけ?

ふざけるのもいい加減にしろよな」

「美沙子、先生と子供らが来るよ。もう矛先おさめよう」

「あんたらもさ、尾崎さんに謝ったら?美沙子がさ、ここまで怒るって滅多にないよ」

そうなんです。私も美沙子さんを止めることはできました。

だけど、美沙子さんの背後に夏美さんの霊が乗り移っていて止めることができませんでした。

夏美さん、あなたは美沙子さんの体を借りて自分の意見を言ったのね。

ありがとう、これで救われたわ。

私が言えなかったことを美沙子さんの体を借りて意見を言ったのね。

本当にありがとう。

今日ほど、あなたに感謝した日はないわ。

これからも空の上から見守っていてくださいね。

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