美沙子さんとお墓参り
美津子さんから美沙子さんが夏美さんのお墓参りをしたいと言ってくれました。
私にとっては嬉しい知らせでした。
きっと、亡き夏美さんが引き合わせてくれたんでしょう。
「すずちゃんがお墓参りに行く時でいいから美沙子を連れて行っておくれよ。
江口さんの回復を一番に心配しているからね」
「美沙子さんがそう言ってくれて嬉しいわ。
お仕事が落ち着いた時に連絡をしてくれたら
一緒に行きましょうと伝えてくれるかい?」
「わかった、今は締め切りに追われていないから伝えておくよ」
そう言って私は家に帰ってから尾崎家の仏壇に手を合わせていました。
夏美さん、美沙子さんがあなたに会いに行きたいと言ってくれましたよ。
尾崎家のご先祖様と一緒に過ごして寂しくないですか?
今はひとみが宝塚で頑張っています。ありさは今年高校受験です。
二人がそれぞれ独立するまで見守っていてくださいね。
それから美沙子さんから連絡が来て私は一緒にお墓参りをしました。
お墓参りをする前の日に正也と一緒にお墓の周りを掃除しました。
「美沙子さん、階段があるから気をつけてね」
「はいっ、ありがとうございます」
「ここですよ、ここが尾崎家のお墓です。ここに亡き嫁が眠っています」
私がそう言うと美沙子さんはお墓にお水をかけました。
そして自分で用意していたのでしょうか?
夏美さんの好きな花をお墓に供えていました。
きっと、江口さんから夏美さんの好きな花を聞いていたのでしょう。
夏美さんは薔薇とか派手な花ではなく、どこにでも咲いている花が好きでした。
お墓参りが初夏ということで百合の花を美沙子さんは選びました。
「この花を亡きお嫁さんが気に入っていただけたら嬉しいです。
この花は家の庭に咲いていた白の百合の花です」
「ありがとう、嬉しいわ。亡き嫁も空の上で喜んでいますよ」
そして、お墓にお線香と蠟燭を焚いて二人でお参りしました。
夏美さん、見ていますか?
あなたの大好きだった百合の花を持って美沙子さんとお参りに来ましたよ。
「夏美さん、あなたに一度お会いしたかった。そしていいお友達になりたかったわ。
ひとみちゃんとありさちゃんはとても素直な子に育っているわよ。
私は秀樹しか子供がいないから女の子のことはわからないけど、
ありさちゃんが秀樹のいいお友達になってくれているわ。
ありがとう、ありさちゃんという良い子を秀樹に引き合わせてくれて感謝するわ」
そう言うと美沙子さんは手を合わせていました。
夏美さん、美沙子さんの言葉聞きましたか?
ありさに秀樹くんを引き合わせてくれてありがとうって。
よかった、お会いできてよかったわって言いたいのね?
これからも二人の娘たちのこと見守っていてくださいって言いたいのね?
そうよね、嬉しいわよね?娘たちのことはおろか親友にまで気を配って肩の荷が下りたのね。
よかった、もうこれで何も心配することはないわって言いたいのね?
そうよね、美沙子さんなら親友の江口さんといい関係になっているわよね。
どうか、江口さんが回復して帰ってくることを空の上から見守っていてくださいね。




