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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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親友の悩み

幼なじみの美津子さんと行き来するようになってから1年が経ちました。

今では家族ぐるみの付き合いになって学校行事に行くことになりました。

今日はバレーボール大会の日、正也は張り切ってありさのクラスと

ひとみのクラスで練習をしていました。

ところが、バレーボール大会の当日の日でした。

ありさのクラスの試合に美沙子さんが出ました。

しかし、美沙子さんは朝から体調を崩していたようです。

そもそもの原因は毎日追いやられる締切に精神的に追い詰められることです。

美津子さんは美沙子さんに「きついなら無理しなくていいよ」と言います。

そのたびに美沙子さんは「大丈夫ですよ」と言って心配かけまいとしています。

以前美津子さんが私に美沙子さんのことを話してくれました。

無理はしていないかと・・・。

「おみっちゃん、気苦労は体に毒だよ。

作家さんってそんなにきつい仕事なのかい?」

「そうだね、締め切りに追われているとかなりきついからね。

そばで見てもかわいそうだよ。今日も朝から胃が痛いって言うから

無理せず病院に行っておいでって言ったところだよ」

「そうかい、何もなければいいといいね」

「ありがとう、すずちゃんに話してよかったよ。

嫁が元気でいてくれたらそれでいいからね」

そしてバレーボールの試合が始まりました。

美沙子さんは体調の悪いことを悟られないように

元気に声をかけていました。

ところが試合の途中で美沙子さんは体の調子が悪くなり、

試合を続けるのが困難になりました。

その時、ひとみの試合が終わってありさの試合のコートに来た正也が

タイムをかけてメンバーチェンジをしました。

「大丈夫ですか」

「すみません、大丈夫です」

「母ちゃん、大丈夫?」

秀樹くんが心配して美沙子さんのところに駆けつけました。

水沢先生も後から来て美沙子さんは救急車で運ばれていきました。

美沙子さんは過労でした。

しばらくは絶対安静が必要と医師から告げられました。

そして、先日病院で検査をした結果も確認してきました。

なんと、十二指腸に腫瘍ができていたのです。

その腫瘍を取り除くために大村の国立病院へ診察に行くことになりました。

それから一週間後、美沙子さんは水沢先生と美津子さんと一緒に

大村の国立病院に行きました。

美沙子さんの病気は癌でした。

私が美津子さんから聞いたのは病院に行った翌日のことでした。

「ショックだよ。なんで癌になったんだろうね」

「気持ちはわかるよ。あたしも嫁を癌で亡くしたから」

「先生の話ではほっておくと手遅れになるから

今見つかった時に切ったほうがいいと言われたよ」

「まだ望みはあるだけ幸せだよ。あたしの時なんかすでに手遅れだったからね」

「入院することになって今書いている仕事は休載にしたよ。

体を治すのが一番だからね」

「ほんとだね、お嫁さんが元気になるのを祈っているよ」

「ありがとう、すずちゃん」

それから私は家に戻って仏壇に座って

美沙子さんの病気が治ることを祈っていました。

それを見たありさは、

「おばあちゃん、どうしたの?」

と聞いてきてので私は、

「ママに頼みごとしていたんだよ」

と言いました。

「何をお願いしたの?」

とひとみが聞いてきたので私は

「家族仲良く暮らせるようにとお願いしたんだよ」

と言ってしまいました。

夏美さん、美沙子さんを助けてあげてちょうだい。

美沙子さんをあなたの二の舞にしたくないの。

あなたならわかるわよね。

母親が亡くなった子供の寂しさを・・・。

美沙子さんがいなくなったら秀樹くんは一人ぼっちになってしまうの。

今、そばで見ているなら助けてあげてちょうだい。

それから私は毎日お墓参りをして

美沙子さんの手術が成功するように祈りました。

美沙子さんは検査入院を含めて一週間の入院になり、

手術を受けることになりました。

「明日、嫁が手術なんだよ。家族が付き添わないといけないから

息子と一緒に付き添っていくの」

「そうかい、気をつけてね。あたしもご先祖様におまいりして

お嫁さんの手術の成功を祈っているからね」

「ありがとう、すずちゃん」

夏美さん、美沙子さんを助けてあげてちょうだい。

明日の手術が無事に成功するように導いてちょうだい。

私は尾崎家の先祖が眠っているお墓でひたすら祈っていました。

美津子さんは私の幼なじみです。

美津子さんには私と同じ苦しみを味わわせたくありません。

神様、美沙子さんを連れて行かないでください。

私と同じ残酷な思いを美津子さんに味わわせたくないのです。

夏美さんのように早く亡くなるのは辛いことです。

お願いです。

美沙子さんの手術を成功するように導いてください。

私はお墓まいりが終わったら家の仏壇にも手を合わせて

ひたすら美沙子さんの病気が治ることを祈りました。








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