表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
40/91

動物病院でのキチママ

今日は銀次郎と冬美をワクチン接種のために近くの動物病院に行きました。

この頃、ありさと秀樹くんが春休み期間だったので、美沙子さんの車で動物病院に行きました。

銀次郎も冬美も丸々と育ってきました。

二匹とも予防接種を受けて副作用が出ないか確認するのに時間がかかると言いました。

そんな時でした、4才~5才くらいの女の子を連れた若いお母さんが犬をケージに入れて

定期健診を受けに病院に入っていきました。

その時に女の子がお母さんに言いました。

「ママ、この子犬可愛い」

「あらっ、そうなの?」

私はこの時は子犬を見て可愛いと思ったのですが、

この母親の行動が後々異常なのに気がつくのは自然の流れでした。

母親は美沙子さんに言いました。

「この子犬、可愛いですね。うちの娘が気に入ったので、よかったらもらってあげましょうか?」

美沙子さんはこういう事態に備えてボイスレコーダーを用意していました。

小説家になる前はテープ起こしの仕事をこなしていたことがあって本格的な品物でした。

「この子は家で育てていますのでお断りします」

「なんで?この子は娘が気に入っているの!うちのほうが幸せになるに決まってるの!

それから、おばあちゃんが抱いている子犬ももらってあげるわ」

「大の大人が我儘言って可笑しいんじゃないですか?

秀樹、ありさちゃん、こんな大人になっては損すること忘れないように気を付けるのよ」

「そうだね、母ちゃん。おばちゃんはどこの学校で勉強したの?ねぇ、ありさちゃん」

「保育園から勉強やり直したら?子供が欲しいからって自分の家族として飼っている犬を

もらってあげるなんて考え方可笑しいんじゃないの?」

「子供のくせに生意気だ。さっさと子犬をよこせ!」

夏美さん、同じ母親としてこんな屈辱耐えられないわよね?

お願い、銀次郎と冬美を助けてちょうだい。

ケージの中で震えている銀次郎と冬美を私は美沙子さんの車に匿っていました。

ところが、この母親は諦めていない様子で車の窓をガンガンたたいていました。

「ありさちゃん、銀次郎と冬美を助けるぞ」

「どうするの?」

「砂利石があるから相手に投げよう」

そして、ありさと秀樹くんが母親に砂利石を投げて車から遠ざけようとしました。

やがて、動物病院の看護師さんが警察を呼んでくれました。

母親はお巡りさんに言いました。

「この子たちは私のところで飼う約束をした。(約束はしていませんよ)それなのに、ズルい」

美沙子さんがボイスレコーダーをお巡りさんに渡して被害届を出すと言いました。

警察からの連絡で正也と信吾先生が来てくれました。

そして、母親のご主人も来ました。

「被害届だけはご勘弁ください」と言うご主人の言葉に激怒した信吾先生は、

「家内の仕事を知って奥様は家内にケガをさせましたよね?

家内の腕のケガが最悪仕事に差し障るなら出版社から損害賠償を請求することがあります。

覚悟しておいてくださいね」と言いました。

正也も被害届を出すことにしました。

理由は自分の母親が年老いたとはいえ命の危険にさらされたこと。

そして、家族である冬美を誘拐しょうとしたことでした。

「犬ぐらいで大袈裟よ」

まだ母親は自分のやったことが理解できてない様子でした。

ご主人が母親の頬をビンタしました。

信吾先生は美沙子さんを近くの病院に連れていき、ドクターの診断書を警察と出版社に出しました。

出版社からの連絡で「こちらから損害賠償を請求します。弁護士は私たち会社で手配しますので

安心してください」という返事がきたそうです。

夏美さん、ありがとう。

銀次郎と冬美を助けてくれてありがとう。

美沙子さんのケガが1日も早く治ることを祈っていてね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ