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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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ママにお願い事

夏休み前にケガをした秀樹くんを心配して神戸から

美沙子さんのご両親が長崎にやってきました。

おそらく美津子さんがご両親に秀樹くんのケガを知らせたのでしょう。

美沙子さんのご両親は飛行機で来ました。

空港に迎えに来た水沢先生から秀樹くんのことを話しました。

「そう、あの子がそんなに元気になったのね。よかった」

神戸のおばあちゃん、律子さんは胸をなでおろしていました。

それから水沢先生の車で大村から島原まで二時間かけて走りました。

「お父さん、お母さん」

「美沙子、秀樹の様子はどうだ?」

「頭を三針縫ったわ。検査入院して今日退院できたわ」

「そうか、これから通院しないといけないだろう?」

「うん、夏休みの間に連れて行くつもり」

「そう、それにしても大事にいたらなくてよかったわ。

頭をケガしたって聞いた時はびっくりしたわよ」

「お父さん、お母さん、疲れたでしょ。荷物置いて涼んでくださいな」

「ありがとうございます」

美津子さんがご両親を客間に通してお茶を出しました。

「おみっちゃん、こんにちは」

「あらっ、すずちゃん。毎日暑いね」

「おやっ、お客さんかい?また出直してくるよ」

「いいのよ、すずちゃん。嫁の両親が神戸から来てくれたんだよ。

秀樹のケガが心配で飛行機で来てくれたんだよ」

「まぁ、そうだったの。秀樹くんは元気になったのかい?」

「今日、退院してきたんだよ」

「それはよかったわ。ありさが元気なくてね、毎日お仏壇で秀樹くんが

元気になるの祈っていたんだよ」

「ありがとう、よかったら上がって冷たいお茶飲んでいって」

「そうかい、それじゃお邪魔します」

美津子さんの言うまま私はお邪魔することにしました。

「秀樹の同級生のおばあちゃん、私の幼なじみなんですよ」

「そうですか、いつも秀樹がお世話になっています」

「遠い所からよく来てくれましたね。秀樹くんは本当に元気な子ですよ」

「私たちと一緒にいた時は体が弱くて毎日病院通いでしたのに、

こちらの気候が秀樹にあったのでしょうか。

元気に学校に行っているようで安心しました」

それから私は美沙子さんのご両親に

秀樹くんの学校のことを話していました。

「おばあちゃん、お茶ちょうだい」

まだ頭に包帯を巻いていた秀樹くんが起きてきました。

「秀樹、大きくなったな」

「おじいちゃん、おばあちゃん、いつ来たの?」

「今さっき来たよ」

「ありさちゃんのおばあちゃん、こんにちは」

「こんにちは、秀樹くん。退院できてよかったね」

「ありがとうございます」

「すっかり元気になったわね。よかったね、秀樹」

「ありがとう、おばあちゃん。毎日学校楽しいよ。

お友達もたくさんできたよ」

「秀樹の大好きな夏みかんを持ってきたよ」

「和歌山のみかんがなったんだ。たくさん取れたの?」

「箱いっぱいに取れたから近所にお裾分けしたよ」

「すごいね、おじいちゃん」

話に驚かされた私に美津子さんは言いました。

「美沙子さんの実家は地主さんなんだよ。

和歌山に別荘持っていて、そこでみかんの木があるんだよ」

「すごいね、おみっちゃん。すごいお金持ちじゃない」

本当にそうです。

田舎では考えられない話です。

「美沙子さん、今日は仕事を休んでお父さんとお母さんと一緒に

遊びに行ってきなさい。秀樹も神戸のおじいちゃんとおばあちゃんと

遊びに行っておいで」

「行っていいの?おばあちゃん」

「病院でいい子にしていたご褒美だよ。気をつけて行くんだよ」

「ありがとう、おばあちゃん」

「よかったわね、秀樹くん。気をつけて行っておいでね」

「ありがとう、行ってきます」

そう言って秀樹くんは元気に出かけていきました。

それからしばらくして美津子さんが袋いっぱいのみかんを持ってきました。

「頂き物だけど、みんなで食べて」

「いつもありがとう。これが和歌山のみかんかい?」

「そうだよ、これだけ沢山もらっても食べきれないからね」

「ありがとう、遠慮なくいただくわ」

そして、家に帰ってきた時に秀樹くんからお土産もらったと

ありさに言いました。

「秀樹くん、元気になったんだ」

「ありさが一生懸命ママにお願いしたからだよ」

「ママ、ありさのお願い聞いてくれたんだ。ママ、ありがとう」

そう言ってありさは仏壇の前に座り、手を合わせてました。

この子なりに秀樹くんを心配していたんです。

秀樹くんが入院した時、ありさは私に言いました。

「ママにお願いしたら秀樹くん元気になるかな?」

「それじゃ、仏様にお願いしてごらん。仏様がママに伝えてくれるから」

それからずっと、ありさは毎日仏壇に手を合わせていました。

そして近所にある観音様にもおまいりしていました。

お友達と遊ぶ時も観音様におまいりしていました。

そして、観音様と仏様に願いが通じたのでしょう。

今日の退院はありさにとって嬉しい日になりました。








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