三匹の子犬のその後
「冬美、ご飯だよ」
初めは家の中を見て『ここはどこだ?』と顔をしていた冬美でしたが、
正也とありさが可愛がっていくうちに『ここは私の家なんだよね?』と理解していったようです。
今では家族の一員になって大切に育っています。
冬美が来たことで家族が明るくなりました。
正也が犬のしつけの本を買ってきて一生懸命冬美の躾をしてくれます。
冬美が我が家に来てから宝塚で過ごしていたひとみが休暇で帰ってきた時のこと、
玄関に入ってきたひとみが冬美にびっくりしてました。
「ちょっと、ありさ。あんた、いつの間に犬飼ったのよ?」
「冬美は秀樹くんの家から引き取ってきたんだよ。冬美、あたしのお姉ちゃんだよ」
「この子、嚙みつかない?」
「大丈夫だよ、この子人懐こいから」
「そうなの?」
ひとみは恐る恐る冬美の頭を撫でました。
冬美はペロペロとひとみの手をなめていました。
「犬は可愛がってくれる人を知っているんだよ。
そうだ、今度信吾先生を誘って三匹の子犬が幸せになっているところを写真に撮って送ろう」
そうは言ったものの、銀次郎と冬美は近所に住んでいて会うことはできますが、
明菜は飼い主である信吾先生の同僚の男の先生は五島に転勤しています。
明菜も一緒に五島で同僚の先生と家族に見守られて育っていることを知らせてくれました。
今はパソコンで電子メールができる時代です。
信吾先生は時々子犬の状況を電子メールでやり取りしていました。
電子メールの中には明菜の最近の写真が添付されていました。
「これなら明菜の近況を報告できますよ。明菜の飼い主がこまめに成長記録を送ってくれるから
この資料でよければお貸ししますよ」
「ありがとうございます。さっそく、DVDで成長記録を送りましょう」
「DVDの制作なら任せて下さい。うちに銀次郎の成長記録をつくったDVDがありますよ。
それに冬美の成長記録になる写真がありましたら用意してくれますか?
冬美と明菜の成長記録を一緒に作りましょう」
それから正也は信吾先生に冬美の成長記録を作る際の写真を渡していました。
そして、明菜と冬美の成長記録がDVDが二枚ずつ出来ました。
それぞれ明菜と冬美のアルバムにと私たち家族と五島にいる信吾先生の同僚に送られました。
あとの二枚は里親に斡旋してくれた方に信吾先生が飼っている銀次郎の成長記録をダビングしたものと
一緒に美沙子さんの名前で贈られました。
里親斡旋した方から電子メールが届きました。
「それぞれ別々の旅立ちになりましたが、三匹が幸せでよかったです。
DVDは大切にしますね。本当に良い里親さんを見つけてくれてありがとうございます」
夏美さん、三匹の子犬がそれぞれの里親に引き取られてよかったです。
我が家で飼っている冬美を引き合わせてくれてありがとう。
冬美が来てくれて我が家は賑やかになりましたよ。
「冬美、どうしたんだい?抱っこしてほしいのかい?」
今では私の膝が冬美の専用になりましたよ。
考えたら、ひとみとありさが小さい頃にも私の膝に座っていましたね。
冬美の成長を静かに見守ってくださいね。




