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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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初市の思い出

今年も初市というお祭りがやってきました。

初市は島原で有名な春のお祭りです。

このお祭りには毎年家族で出かけています。

今年はひとみが巣立つため家族そろって出かけるのは最後になりました。

「おばあちゃん、今年でみんなで行くの最後だね」

とひとみが淋しい顔していたので、

「そんな寂しいこと言わないのよ。

故郷を離れたって家族の絆は変わらないんだからね」

と私は言いました。

本当にそうです。

ひとみが宝塚に行くのは卒業式の翌日です。

ひとみにとって初市は子供の頃の小さな思い出なのです。

「ママと一緒にいつも出かけたよね。ママがいなくなっても

いつもパパが連れて行ってくれたよね」

「そうだね。でもね、ひとみの悲しい顔をママが見たら悲しむと思うよ。

ママは今でもひとみの心の中に生きているんだからね」

「うん、わかった。もう泣き言言わないよ。自分で決めた道だからね」

「そうだよ、いつものように笑って行っておいで。

ママは遠くにいても空から見守っているから」

夏美さん。あなたもそう思いませんか?

あなたが生きていたら私と同じこと言っていたでしょうね、きっと。

さて、話を元に戻しましょう。

初市に言った私たちはたくさんの出店を見てきました。

ひとみとありさの目的は食べ物のお店です。

「お姉ちゃん、クレープ食べよう」

「ありさ、たこ焼き食べよう」

おやおや、食べることに夢中になっていますね。

そういえば夏美さんが元気だった時、家族みんなで初市に行きましたね。

夏美さんが小さかったひとみとありさに綿菓子を買ってあげていましたね。

大きな綿菓子を持って二人が喜んでいたのが昨日のことのようです。

夏美さん、ひとみとありさもこんなに大きくなりましたよ。

それに。ひとみは中学を卒業して宝塚に行きます。

あなたがそばにいて二人の成長を見たかったでしょうね。

でも心配はいりませんよ。

二人の花嫁姿が見れるまで私が責任もって育てていきますからね。

「おばあちゃん、綿菓子食べたい」

「はいはい、今行きますよ」

夏美さん、見ていますか?

中学になっても二人はまだまだ子供ですね。

ひとみには宝塚でしっかり勉強をして立派な舞台人になってほしいです。

ありさには素直で優しい子に育ってほしいです。

これからどうなるかわかりませんが、

ひとみとありさの行く末を見守ってくださいね。

私はまだまだお迎えが来ないようです。

お迎えが来るまで私は二人の行く末を見守っていこうと思います。

それまで空の上から見守ってくださいね。

頼みましたよ。



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