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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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ひとみの引っ越し

ひとみの同級生が高校受験に頑張っている時、

ひとみは一足先に宝塚に行くために引っ越しの荷造りに追われていました。

ひとみが寮に入るのが卒業式の次の日なので、それまでに必要な物を

段ボールに詰め込んでいました。

ひとみの入学式は4月ですが、大きな荷物は3月中に寮に運び込んでおくように

言われていました。

いよいよ、ひとみの巣立ちが来たと思いました。

「あたしの部屋、こんなに広かったんだ」

「そりゃそうだよ。ひとみが先に勉強部屋をつくったんだから」

「帰ってきても置いておいてくれて嬉しいよ」

「何言ってんだい。ここは、ひとみの生まれた場所なんだから」

本当にそうです。

この家には私たち家族の歴史が詰まっています。

夏美さんが亡くなってから一昨年で17回忌が終わりました。

私も80近くの年令になりました。

よくぞここまで長生きできたと感心しています。

今日は久しぶりに仏壇のお花を手向けました。

夏美さん、ひとみが巣立つ時が来ましたよ。

あなたも一目見たかったでしょうね。

あなたと過ごせた日は短かったけど。充実していたわ。

私もここまで頑張ってきた甲斐があったと思っているわ。

「母さん、荷造り終わったよ」

「そうかい。いよいよひとみが巣立っていくんだね」

「淋しいなんて考えるなよ。ひとみが決めた道なんだから」

「そうだね、ひとみの受験する時大変だったね。

音楽学校に行きたいと言ってきた時は驚いたよ」

「子供も巣立つ時が来たんだな。初めは受験に反対してきたが、

ひとみの強さに負けたよ」

「本当にそうだったね。見ていてハラハラさせられたよ」

本当にそうです。

ひとみの受験の時、正也は最後まで反対していました。

しかし、最後にはひとみの熱意に負けて1回きりだと言って

受験を許しました。

しかし、今は桜咲くで合格してよかったと思います。

夏美さん、あなたもそう思いませんか?

今夜は昨日からの大雪で家の周りが銀世界になりました。

今日はひとみとありさは学校が休校になり家族水入らずになりました。

長崎では雪はめったに積もらないのに、昨日と今日の大雪はびっくりです。

しかし、今年は暖冬だと言われていただけにこの銀世界はなんでしょうね。

本当に信じられない出来事ですよ。

隣町では水道管の凍結で水が使えなかったりしたそうですよ。

幸い、うちでは凍結に備えてミネラルウォーターを買いだめしておきました。

こういう時のために非常食を用意しておきました。

夏美さん、お墓も雪に積もって寒かったでしょうね。

ごめんなさいね、あと少し暖かくなったら

孫たちを連れてお墓詣りに行きますからね。

それまで辛抱してくださいね。

後は温かいスープを孫たちに飲ませて今夜は休ませます。

後で夏美さんの分もお供えしておきますからね。

あなたがいつもつくってくれたミネストローネスープ。

今では家族の食卓になくてはならない物になりましたよ。

今夜はあったまってゆっくり休みましょうね。

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