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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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ありさの卒業式

ありさが小学校を卒業する日が来ました。

この日に洋服を仕立てて着せてあげました。

「あたし、いつもお姉ちゃんのお古だもん。卒業式は新しい洋服着たい!」

とありさが言ったのもありますが、卒業式ですから女の子は綺麗な洋服を着たいと思ったのでしょうね。

「おばあちゃん、洋服屋さんにちゃんとお願いしてね」

「はいはい、わかっていますよ」

卒業式の前からありさは新しい洋服が楽しみでしかたありませんでした。

そして卒業式の日が来ました。

ありさは新しい洋服で卒業式の会場に入っていきました。

今日は男の子も女の子も普段とは違って大人びて見えました。

「母さん、今日のありさは大人びて見えるな」

「それはどの子も同じだよ。みんな、大人びているよ」

本当にそうです。

みんな、大人びて見えます。

「すずちゃん、ありさちゃん可愛いね」

「おみっちゃん、秀樹くんもカッコイイじゃない」

私は美津子さんとお互いの孫を褒めあっていました。

「本当に転校してからお友達がたくさんできてよかったよ。

体が弱かった子だったのがすっかりたくましくなって嬉しいよ」

「そうだね。秀樹くんは本当に活発な子になったね」

「ありさちゃんが秀樹くんのお友達になってくれてよかったよ。

孫たちの縁であたしたちが再会できたんだから」

「本当だね。おみっちゃんに会えて嬉しかったよ」

「あたしもよ、すずちゃん。これからも仲良くしていきましょうね」

今日はあいにくの雨でしたが、子供たちの元気で雨のことを忘れていました。

子供たちの卒業式が終わって、夕方に謝恩会をしました。

校長先生や歴代の担任の先生が出席して楽しい会が始まりました。

子供たちは目の前に並んだご馳走に目移りしていました。

ありさは優香ちゃんと他のお友達と一緒にご馳走を食べていました。

それからカラオケもみんなで歌いました。

そして「大人の人で誰か歌いませんか?」という言葉がでました。

それに応えたのが美沙子さんでした。

「母ちゃんのストレス発散はカラオケなんだ。

神戸にいた時、おばあちゃんと一緒にカラオケに行っていたんだよ」

「秀樹くんのお母さんが歌います」

そして、美沙子さんは一曲歌を歌っていました。

他のお母さんから拍手をもらっていました。

この話は正也から聞きましたが、美沙子さんの歌上手だったと言っていました。

謝恩会も盛り上がりお母さんたちは二次会に行くことになりましたが、

美沙子さんは原稿の締め切りが近いため欠席して家に帰ってきたそうです

「ただいま」

「美沙子さん、これから仕事するの?寒いから温かくしてやるんだよ。

あとで温かい物持って行くよ。コーヒーがいいかい?」

「今日はしょうが紅茶がいい」

「それじゃチーズケーキと一緒に持ってくるよ。

じいちゃんが美沙子に食わせてやれって買ってきたんだよ」

「お義父さんがですか?」

「じいちゃん、不器用だけど陰で応援しているんだよ。

無理しないで頑張ってね」

美沙子さんの小説は本屋でよく見ます。

読者は老若男女問わずファンが多いです。

美沙子さん、おみっちゃんがお姑さんで幸せね。

私も夏美さんがいた時が懐かしいわ。

夏美さん、あなたは私に一生懸命心を砕いてくれたわよね。

私は幸せだったわよ。

今は空の上で何をしているのかしら?

今日のありさの卒業式、見てくれましたか?

ありさは4月になったら中学生になるのよ。

ひとみとありさの制服姿を一目見せたかったわ。

二人とも元気に育ってくれて嬉しいわ。

夏美さん、あなたにできなかったことを美沙子さんにしていくわ。

美沙子さんは私の親友のお嫁さんだからね。

あなたの分まで美沙子さんを応援していくわ。

美津子さんとは長い付き合いになりそうだし、

これからも美沙子さんを応援していくわ。


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