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おばあちゃん、大好き!  作者: 真矢裕美
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おばあちゃんの昔話

ありさが6年生になってから9カ月が過ぎ、今年も運動会の季節が来ました。

ありさは今年で小学校最後の運動会で張り切っています。

私も今日は朝早くからお弁当づくりに頑張りました。

おにぎり、巻きずし、そして孫たちの好きなバッテラもつくりました。

おかずは鳥の空揚げ、卵焼き、エビチリ、野菜の煮物をつくりました。

これだけの量を重箱に詰めて出発です。

運動会は町内ごとにテントを張って席をとるので

朝からテント張りに行った正也に席をとっておいてもらいました。

さすがの私も席とり合戦には勝てないですからね。

こういう時は息子に助けてもらわないといけませんよね。

「母さん、こっちこっち」

「今年はよく見える席だね」

「ありさの最後の運動会だからな。あれっ?お弁当は?」

「ひとみに持たせたんだけど、まだ来てないのかい?」

「いや、まだだよ」

「おばあちゃん」

「ひとみ、こっちだよ」

「重たかった。お弁当にジュースとお茶もあったから大変だった」

「それだけ家族の愛情が詰まっているってことだな」

本当にそうです。

家族で楽しい行事に出かけることはなにより幸せなことです。

夏美さんが亡くなってからしばらく家族で出かけることはなかったのですが、

三回忌が終わってから家族で出かけるようになりました。

いつまでもメソメソしてはいられませんからね。

それに今日は晴天に恵まれて本当によかったです。

運動会ではありさがどの種目も頑張りました。

特に目を引いたのが地元の踊りを踊ったことでした。

「エイサーか、懐かしいな」

「おまえも子供のころ踊っていたね、懐かしいね」

「父さん、オレ、それにひとみとありさがこの小学校に通っていたんだな」

「この小学校も統合されるんだね、寂しいね」

「今の時代、子供が少ないからかもな。寂しいな」

「おみっちゃんのいる町内の分校は来年で統合で廃校になるんだよね」

「綺麗な分校だったのにな、残念だな」

「廃校後は公園になるらしいよ。子供たちの遊ぶ場所が残ってよかったわ」

本当にそうです。

昔からあった物がなくなるのは寂しいものです。

それだけに孫たちには厳しく躾けてきました。

食事から鉛筆などの物の使い方一つ一つ教えてきました。

それだけに無駄遣いはしないです。

必要な物は必ず相談することと私がいつも言ってきました。

今学生ではやっているスマートフォンは中学校では禁止です。

ひとみには高校生になってから許すと言いました。

こうすることで孫たちを守ってきました。

ありさが小学1年生の時、「授業参観にママがいないから行かない」って

言ったことがありました。

私は「この子に肩身の狭い思いさせてはいけない」と思いました。

小学2年生になって秀樹くんが転校してからは朗らかになって

明るくなってきました。

その陰には秀樹くんの大ケガがありました。

秀樹くんが転校してからいろんなことがありました。

幼なじみの美津子さんと再会できたこと。

美津子さんの縁で秀樹くん家族と付き合うことができたこと。

今はとても感謝しています。

思えば夏美さんが引き合わせてくれた縁だったのでしょうか?

それだったら嬉しいことです。

今では美沙子さんの頑張りが他のお母さん方に一目置かれています。

今年の夏のキャンプは雨のため学校での宿泊になりましたが。

美沙子さんは雨に濡れたお母さんのために魔法瓶に入れたホットコーヒーを

ふるまってくれました。

またお酒の苦手な人のことも考えて烏龍茶とジュースを用意していました。

そしてお手製のチーズケーキもふるまってくれました。

チーズケーキはお母さんたちに大好評でした。

私もご馳走になりました。

美味しかったです。

学校での宿泊は私は途中で息子に代わってもらいましたが、

とても充実していました。

夏美さんが亡くなってから早いもので来年の冬には七回忌を迎えます。

本当にあっという間でした。

ひとみもありさもしっかり成長したのが一番よかったです。

来年になるとありさも中学生になります。

今から来年のことを話すと鬼が笑うと言いますね。

これから先はどうなるかわかりませんが

孫たちの成長を見守っていこうと思います。







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