本郷冷
あの事件から2年後。私は私立青城学園に進学した。今日は入学式だ。あれから結雅は一回も目を覚まさなかった。でもいつか目を覚ますと信じてる。「おっはよー!結!!」後ろから突然抱きつかれてびっくりした。私はその抱きついてきた犯人の方を見た。「冷..いつも言ってんだろ。いきなり抱きつくな!」「ごめんごめん。これからは気をつけるって!」「どうだか。」抱きついてきた犯人、本郷冷は軽い調子で言った。金髪の髪に茶色の瞳頭の上にはニット帽をかぶり学ランの袖はおってある。耳にはピアスが5個ぐらいついている。イケメンだけど、チャラい。「しっかし、まだ右目の方前髪で隠してんだな。いつからだっけ?小学生から?」「うるせーよ。こっちの方が落ち着くんだ。」「ふーん。たまには前髪上げてみたら?可愛いかもよ?」冷は笑いながら言ってきた。前髪は私が右、結雅が左で目を隠している。そういえば、こいつ家となりだから昔から色々知ってんだよな。おばさんには「もう二人で付き合っちゃったら?」と言われたりもしている。そんな簡単にできるもんならしてるけどな。実際、多分私は冷のことが好きだと思う。多分っていうのは恋愛経験がないからなんだけど。でも冷の周りにはたくさんの女たちがいるから私みたいな不良は別に幼なじみとしか思ってないんだと思う。「ゆーい!」「うわ、なんだよ。」「反応薄くね!?まあ、いいや。それより、着いたぜ。」うわ、予想してたよりもでけぇな。こんな学校に3年間通うのかよ。「なーんか、お金持ち学校って感じだな!!」「まあ、そうだな。」でもこの学校は不良がいないんだよな..。喧嘩できねぇな..。「先に言っとくけど喧嘩とかするなよ?」「....多分。」「おい!?」
「そういや、結雅どう?」「相変わらず。」「そっか..。」「うん。」冷は幼なじみだけじゃなくて、神楽の幹部だったからその情報は早く知っていた。あの時は冷も大泣きしていた。まあ結雅に見せたら爆笑すると思うけどな。冷と結雅は..うん。仲悪かったからな。私は今はもう神楽の総長を引退して今はただのんびり喧嘩したい時にしている。4代目総長は冷になった。神楽は初代総長つまり、兄ちゃんに次期総長を指名される。3代目に選ばれた時はマジでびっくりしたけどな。今でもアジトにはよく行ってるけど。「あのさ、結。」「なに?」「えっと..そのー」「だから何」「今日一緒に結雅の病室行かねーか?」「?別にいいけど?なんでそんなモジモジして言うんだよ?トイレなら早く行ってこいよ。」「ちげーよ!本当に鈍感だよな!!」「あぁ?だ・れ・が、鈍感だ?」「ゴメンナサイ。」「ふん」まったく失礼な奴だ。「そういえば、凛斗どう?」「凛斗か..。とりあえず女にモテる。ついでに男からも。」「やめろ、気持ち悪い。凛斗に手出したらぶっ殺すからな。」「本当にブラコンだよな..。結雅はシスコン、結はブラコン、俊さんと凛斗しかまともな人間いねーじゃねーか。」「私はまともな人間だけど?」「お前ら双子は色々と変わってんだよ。」「?」イマイチ冷が言ってることが理解できなかった。
入学式が終わり、冷と約束していたから病院に行こうとしたら知らない男に声をかけられた。「なんか用?」「五十嵐さん、俺と付き合ってください!!」「ごめん、今から病院だから。」「いや、そういう意味ではなく..」「じゃあどういう意味だよ」「だから俺の恋人になってください!」「無理。じゃあ。」その男はその場に崩れていたけどまあ、いいだろ。「冷。」「やっと来た!おせーよ!」「なんか告白された。」「はあ!?へ、返事は?」「いや、断ったけど?」「よ、よかった..。」「?」「じゃ、じゃあ行くか。」「うん。」