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零桜-桜龍-  作者: 夏歌
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裏切りと悲しみと決意2

「やっほー結。相変わらず殺気やばいな」「そんなこと聞いてんじゃねぇんだよ..。なんでここにいんだよ!遊夜!!」私が総長をしている族の神楽の幹部、椎名遊夜。なのに、何故..。「なんで敵のはずの死鬼の総長を神楽の幹部がやってんだよ。」「あーそれ、さっき副総長にも言われたよ。流石双子だね、つまんない。」「結雅もここにきたのか?」「うん。まあ下っ端たちが片付けちゃったけど」「てめぇ...。」こいつの飄々としている態度に私は怒りを覚えていた。今すぐにもこの裏切り者をこの手で殺してやりたい、そう思った。「だから、そんな怖い顔しないでよ。結雅は死んでないよ。まあ、今のところはだけど」「結雅に何しやがった!!」「別に?俺は見てただけだし。やったのは下っ端たちだけだから。」「てめぇ!!」殴りかかろうとした時携帯が鳴った。「っち!もしもし」『結、今着いた。今から結雅を市民病院に連れてく。』「分かった。結雅は大丈夫か?」『..かなり危険な状態だな。最悪死ぬかもな。』「そんな..!」結雅が、死ぬ?そんなこと..。「じゃあ、俺は行くよ。じゃあね、総長?」遊夜はバイクに乗って逃げて行った。


一人倉庫に残った俺はただうずくまっていた。不意に電話がなった。「..もしもし」『姉ちゃん?今どこだよ?結雅も俊も帰ってこないんだけど。』「凛斗...。ごめん、ごめんね。私が弱いせいで、結雅が..。」『姉ちゃん?どうしたんだよ?それに結雅って..。』「ごめん凛斗。姉ちゃん今から家行くからちょっと待ってて..。」電話を切ると私は泣き崩れた。ごめん結雅。ごめん兄ちゃん。ごめん凛斗。私が弱いせいで..。私のせいで結雅が...。


ごめん。


「俊!!結雅が怪我したって!!」「あぁ。今手手術室にいる。」「兄ちゃん..結雅は助かるの?」「分からねぇ。」「...ごめんなさい。私が私のせいで...。」「結は悪くない。誰も悪くねぇんだよ。あの馬鹿が勝手にやったことだ。」「五十嵐さんですか?」手術室から医者が出てきた。「はい。そうですが。」「そうでしたか。とりあえず一命はとりまとめました。ですが..。」「なんですか」「意識が戻るかどうか..。」「そんな..。」結雅が目を覚まさない?あんなに元気な結雅が?そんなことあるわけ。「デタラメ言うなよ?結雅が目を覚まさないわけないだろ?ねぇ、嘘だって言ってよ。」「...。」「言えよ!!おねがいだから..。」「..申し訳ありませんでした。では、保護者の方はこちらの部屋へ。」「はい。」兄ちゃんと医者は部屋に入って行った。


私と凛斗は結雅のいる病室に行った。「姉ちゃん。」「..どうした?」「結雅、起きないの?」「...。」凛斗は悲しそうな目で私を見てきた。そっか。凛斗は私たちと違ってまだ小学生だから誰かがいなくなるっていうことに慣れてないんだな..。私と結雅と兄ちゃんがお母さんがいなくなった時と同じ気持ちなのかな。「大丈夫だよ。結雅は絶対起きる。お前の兄ちゃんは弱くないから。」「そうだぜ。俺の弟は弱くねぇよ。もし、こんなんで死んだらぶっ殺すからな。神楽初代総長としてな。」「兄ちゃん..。」「結、お前も泣いていいんだぞ。凛斗の前だからって我慢すんな。」「..うん。」私と凛斗は兄ちゃんに抱きしめられながら泣いた。そして私は決意した。結雅をこんな目に遭わせた奴らを一人残らず潰す。

その時私の右目と結雅の左目が光ったのは誰も知らない。



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