裏切りと悲しみと決意
「行くな!結雅!!」「悪い、結。俺は行かなきゃならないんだよ。あいつらを潰さねぇと..」結雅はそう言って家を出た。「結、結雅は」「..行きやがったよ、あの馬鹿。」「そっか..。」でも何故か嫌な予感がする..。「兄ちゃん..。私も行ってくる」「はあ?お前はあそこがどんな所かわかってんのか!?」「分かってるよ..。でも嫌な予感がするんだ。」私は兄ちゃんが止めるのも聞かず結雅が向かった倉庫に走って行った。
「結雅!!」倉庫に着くとそこには誰もいなかった。でも、寝ている人影があった。歩を進めて近づいてみた。そこに寝ていたのは..。「結雅?おい結雅、なんでこんなとこで寝てんだよ?起きろよ。なあ、結雅?」結雅が倒れて意識を失っていた。私は頭が真っ白になって考えることができなくなった。やっと考えれるようになったのは結雅の体の状態を見てからだった。結雅は腹に大きく傷が開いており、そこからは溢れんばかりの血が流れていて、体のありとあらゆるところには、痣や傷が多々あった。その状態を見ていると奥から人が出てきた。「よお、『神楽』の総長さんよお!」「...なんだてめえら。」奥からは男たちがぞろぞろと出てきた。だけど結雅が危ない状況なのは変わりなかった。私は携帯を出して兄ちゃんに電話をかけた。『もしもし?』「兄ちゃん、今すぐ結雅迎えに来て。私はここにいるクソ野郎共をぶっ潰さねえといけねえから。」一方的に用事を言い私は電話を切った。男たちはこちらを見てニヤニヤと笑っていた。
「なあ、てめえら。『死鬼』のクソ野郎共か?」「あー?そーだけど、それがどーしたって言うんだよ?『神楽』の総長さんよお!」「そうか。じゃあ、手加減しなくていいよなあ?」「女一人で何ができるって言うんだよ!!なめんじゃねぇぞ!!」こいつら、挑発に乗りやすい奴らだな。...ざっと100人か。「上等だ。全員まとめて遊んでやるよ。」「このクソアマが!!」そう言うと男はバットを振り下ろしてきた。「はっ。バットは振り回しちゃいけませんってママに言われなかったか?」「な!?」こんなのよけれるに決まってんだろ。だてに総長やってねえよ。
「じゃあ、お前らの頭に会わせてもらうぜ。」俺は奥の部屋に歩を進めた。そこにいたのは俺がよく知っている顔がいた。「なんでてめえがいるんだよ..。遊夜!!」