幕間:女神たちの想い
あまり修正点が無かったので、さっそくのせまする。とても短いのはご愛嬌です!
慎が消えた後の空間で、ディアは佇んでいた。
「ふぅ。何とか無事終わったわね。」
ディアは、一息ついた。正直もう一歩遅ければ彼を呼び出すことには失敗していただろう。ノルンの三人には感謝しても仕切れない。
「ディア、お疲れ様。お互いバテバテね。」
どこからともなく長身のおっとりした女性が現れた。
「ええ。ウルもよく頑張ってくれたわ。ありがとう。」
ウルの全身に浮き出る汗を見てどれだけ無茶で、このことに全力を尽くしてくれていたかは一目瞭然だった。
「いいのよ。あの世界の均衡のためですし。それに、親友にそんなこと気にしないの!それはいいとして、あの子は一体何者なの?私たち姉妹3人の全力で、ようやく運命捻じ曲げて連れてこれるって......私達並みの魂の許容量よ?」
ウルの疑問は最もだったのだが、残念ながらはっきりとした答えをディア自身も持っているわけではなかった。
「私にも、分からないわ。推測の域でしかないんだけど、、、彼は超越者なのかもしれない。あくまでもよ。実際に超越者なんて私にも見たことないんだもの。こんな時に、万能じゃないのってのはつくづく嫌になるわね。」
つい癖で、親指をかみそうになるのに気付いて咄嗟にやめる。
「まぁ、でもこのことは彼女の望みでもあるし。そんなことはどうでもいいのよ。きっと彼ならあの世界を何とかしてくれるかもしれないし。彼女の愛した世界を。」
それを聞いたウルも頷いた。
「そうね。あの子が慕う人だものね。せめて、あの子が生きている内に会わせてあげることが出来ればよかったのだけれども・・・」
ウルも彼女のことを思い出しているようで顔に哀愁を漂わせていた。
「まぁ、悔やんでもしょうがないよね。私たちが出来る全力を尽くしたん・・・。」
ディアの身体の体勢が崩れて膝をついた。
「大丈夫!?でも、何で・・・」
「いや、シンに武器を付与したんだけど、本当はシンが生きていた世界で言うところの日本刀?って言うのを渡そうとしたんだけど、、、彼の吸収力が強くて思ったよりも持っていかれちゃったみたい。あはははははは。。。。そのうち戻るわ。」
ディアは、冷や汗をながしながらウルが差し出した手を借りて立ち上がる。
「本当に何者なのかしらね。・・・でも、彼なら切り開いてくれそうね。それにしても、ディアも感じた?あの感覚って。」
「ええ。・・・恐らくほかにも転移を行ったものがあの世界でいるのでしょうね。異邦者召喚の陣よね。術式的には......あ。術式に引っ張られて転移先がずれた。」
召喚陣。それだけ聞けば聞こえはいいが、能力の高い異世界や別次元から人物を、強制的に世界の魔素をかき乱して召喚する。ディア達からすれば目の上のタンコブの様なものだった。当然、魔素が乱されるということは、設定していた座標もずれるわけで。
「え?大丈夫なの?それ。」
「大丈夫・・・じゃないわね。でも、もうなにも出来ないし。それに、何とかなるでしょ。私達ももうそろそろ戻らないといけないし。」
「ん~。それも、そうですね。では、またね。ディア。」
「うん。ウル。」
そして、彼女たちが去り、その空間には誰も存在しなくなった。
次回は、今日中ということで!
詳しい執筆の状況は、近況にて書いていこうと思いますのでどうぞよろしくお願いします。