地獄絵
マサキは走りながら携帯を操作していた。
「ハァハァ、あれ?」
マサキの携帯のGPSでは教会の地下ではなく
裏の方に進んでいく。
「教会の裏って確か学校があるんじゃ、、、マズイな。敵は人をためらいもなく殺める奴だ。学校に逃げこんだりしたら。」
マサキは教会の裏に出る。
教会の裏は木がたくさんあり、学校までの距離は約100m。その木々には一応道はあるが一直線ではなくクネクネとうねった道だ。マサキが走って中に入ると足に何かが当たった。
「こ、これは、大統領の、携帯?ハァ、近くにいるのか?」
マサキが道にそって学校の方に向かうと道の真ん中に大統領が倒れていた。
「な⁉だ、大統領!」
マサキは大統領に近寄る。大統領の首からは大量の血が流れていた。マサキは大統領の脈を測る。
「そんな、」
その時マサキは誰かが来る気配を感じとり茂みの中に素早く隠れる。
「念のため確認してくれ。」
来たのは2人組、片方はかなり身長がデカイ。その2人組はフードをかぶって、大きい方の奴はひょっとこのお面をつけていた。そいつの隣にいる奴はえびすのお面を片手に持っていたが、フードを深くかぶってマサキの位置からは顔を確認する事は出来なかった。えびすのお面を持っていた奴は大統領の脈を測り、死んだのを確認すると頷き去っていった。マサキは恐怖で奴らに立ち向かう事が出来なかった。
「こんなんじゃダメだ!」
マサキは立ち上がり奴らの歩いて行った方向に走っていくが奴らの姿は見当たらなかった。
「、、、!」
マサキはシュンやサキ、そしてイチロウの事を思い出し教会に向う。教会の中は酷く5〜60人の人が倒れていた。マサキはイチロウのもとにかけよる。
「キャプテン。」
イチロウは息をしていなかった。教会の扉の方を見るとシュンとサキが倒れているのが見えた。二人の所に向かおうとした時、教会の扉が開きアメリカの部隊が突入してきた。マサキは彼らに倒され、両腕を後ろに掴まれ地面に取り押さえられた。
「ちょっ、待って俺は、」
しかしマサキは英語は喋れないので言葉が通じない。
「ん?」
マサキは抑えられながらある物が目にはいる。
「あれはヒモ?」
すると、一人の男が教会に入ってきてアメリカの部隊の隊長らしき人に話しかける。話が終わるとマサキは彼らからはなされる。
「大丈夫か?」
男はそう言って手を差し出す。
「平気です。」
マサキはその人の手はとらず立ち上がる。その時にさりげなくさっきの紐みたいな物を取りポケットに突っ込む。男は少し顔をしかめる。
「では行こうか。」
「行くってどこに?」
「安全な場所にさ。」