俺は女が好きだ!
ボロボロでびしょ濡れになったマリンは自分達のマンションにいた。
「おいおい、大丈夫か?」
ヒロがマリンに近寄る。
「私は平気、それより彼を探しに行って。」
「彼?あ、あの青年の事か。ちょっと待てよマリン、状況がよく分からない。」
「あ、あのね、政府側がナイトを完成させていたの。でも、そのナイトはどうやら私達を殺すんじゃなくて捕獲するように命令されていたみたいなの。それで、私は殺られずにすんだけど彼が連れていかれたみたいなの。」
「そうか、わかった。今動ける仲間に連絡して全力で探す、だからお前は。」
「わかってる、今の私じゃ足手まといだもんね。」
ヒロは携帯でみんなに連絡する。
…
マサキが目をさますと、手足をバッテンにしてある鉄の棒の先端に鎖でつながれていた。そして、目の前にどう見ても科学者だよねって感じのお爺さんがいた。
「目覚めはいかがかな?正貴どの?」
「俺女しか受け取らない人ですけど。」
「なんでワシをホモ扱いするんじゃ!まあ、否定はせんけど。」
「しないのかよ!っていうか、smも趣味じゃないんだけど。」
「ワシは結構好きだが、どうかね?」
「なんの提案だよ!つうか離してくれませんか?手首とか痛いんですけど。」
「分かっとる、これを打てば離してやる。」
お爺さんはそう言って注射を取り出す。紫色の注射で明らかにヤバそう。
「それは何?」
「特別に教えてやろう。お前を捕まえた男なんか違和感なかったか?」
「あんなのありすぎです。違和感どころじゃないですよ。あれは一体、」
「そう、アレこそがワシの研究結果なのじゃ。この注射の中にはナイト細胞という物が入っておる。」
「ナイト細胞、」
「ああ、ナイト細胞は肉体を異常なまでに強化する事ができるのじゃ。しかし、普通の人に打ってもあそこまで脅威的には強くならない。約10年はかかる計算だ。」
「へーそれで?」
「しかーし、このナイト細胞はある細胞を食べてかなり成長する事がわかっている。その細胞はノーベル細胞じゃ。ノーベル細胞に感染している人間にこれを注射すると、個人差はあるが約半年であそこまで強くなる。これだと、ノーベラーをナイトにする事ができ、さらには彼らを使いノーベラーを倒す事もできる、まさに、」
「一石二鳥ってやつか。」
「あー!それは、ワシが言おうとしたやつかっこいいとこ持ってきやがたなー」
「何がかっこいいんですか、意味わかりません。なぜあなた達はノーベラーを殺すんですか?」
「ワシに言われても困るな、ワシは上に言われたからこうして研究をしているだけじゃ。それにノーベル指数50を超えるやつに投与するのは初めてじゃ、20超えたやつでさえあれほどの強さ、ワシは期待でワクワクしとるのじゃ。」
「でも俺が強くなればこんな鎖ひきちぎってお前を殺すかもしれないよ?」
「それはないな。」
「なぜ?」
「ナイト細胞はキング細胞という物でできている。今この注射器にある状態がそうじゃ、しかし、人体に投与するとナイト細胞になるんだ。そして、ナイト細胞を持つ者はキング細胞を持つ者の奴隷となるのじゃ。」
「さっきそれ、ナイト細胞って言ってたじゃん。」
「分かりやすくするためさっきはそういったんじゃ。」
「それより、奴隷って、」
「そう、キング細胞を持つ者の命令は絶対。それにナイトになると自分で考えるという事を忘れてしまう。なんとも便利ではないか。」
その時建物の何処かで大きな爆発がおき、サイレンが鳴り響く。