肉まん‼
マサキは風呂から上がり用意されていた服に着替え、リビングに向かう。
「あの〜この服デカすぎなんですが。」
ウィンの身長は190くらいだ、ブカブカなのは当たり前だ。
「やっぱり?」
「まあいいんじゃね?寝る分には。」
っとヒロは言う。
「今日はここで寝な。」
そう言われてウィンに部屋に案内される。
「ここはマンションなんですか?」
「んーまあな、今日はもう遅いから質問は明日つー事で。」
「はあ。」
ウィンは部屋を出て行く。
「もう遅いってまだ、11時じゃん。」
マサキは布団に潜り込む。眠れないまま三時間が経過していた。
「やっぱり、ダメだ。」
マサキは立ち上がり部屋を出る。リビングは真っ暗で誰もいない。風呂の方に行くと自分の服が乾燥機で乾かされていた。マサキは服を触る。
「大丈夫だな。」
マサキは服を着替え玄関で靴を履く。
「どこ行くの?」
マサキはビクッとする。振り向くとマリンの姿が。
「いや、あのーえーっと、コンビニでも行こうかな〜って思いまして。」
「それじゃ一緒に行きましょ。」
マサキとマリンはコンビニに行き、二人とも肉まんを買った。
「本当はどこ行くつもりだったの?」
マリンは肉まんを一口食べて言う。
「俺と一緒にいる人はみんな不幸になるんだ。父さんや母さんも仕事場の仲間もそして、この世で一番に愛した人さえ。」
「あなたの過去なんて私は知らない、でもねあなたはその人達から聞いたの?」
「何をですか?」
「その人達が不幸だってことをよ。あなたがそう決めつけているだけじゃないの?」
マサキの足が止まる。
「それは、」
マサキとマリンは人通りの無い裏路地にいた。マサキは暗くてマリンの表情が見えない、それに少しだけホッとした。今の自分の顔を見られたくなかったから。
「!、、、マリンさん。」
「わかってる、挟まれたわね。」
マサキとマリンは人の気配を感じとった。
「アンチの人達ですかね?」
「違う。、、、これは、」
マリンは肉まんをくわえ、両手に水色のボールを作る。
「隙を見て逃げてね。」
マリンの眼つきが変わる。次の瞬間男がマリンの目の前に現れ、マリンの服を掴み思いっきり投げ飛ばす。
「きゃあ!」
マリンの肉まんが地面に落ち、表通りまで飛ばされた。道路に倒れたマリンに大型トラックがクラクションを鳴らし近づいて来る。マリンは瞬時に両手のボールを合わせ大きなボールを作りトラックを受け止める。大量の水がクッションになりトラックは止まる。マリンが横を見るとさっきとは違う男がマリンの腹に拳を突き出す。マリンはその拳を水を使い受け止め、大量の水で男を包み込む。
「ふふっ」
マリンは勝負ありと確信したが、男表情一つ変えずマリンの右手首を掴みガラス張りのカーショップに投げ飛ばす。マリンは水で自分を包み込む。
パリン、ガシャガシャンっと音をたててガラスは割れ、マリンは車に思いっきりぶつかり倒れる。
「くっ!、、、まさか、アレが完成いたっていうの?」
ジャリッジャリッとガラスの破片を踏み男がマリンに近づいて来る。マリンは立ち上がり、片手にボールを作る。
「ふふふっ、、、やってやろうじゃない。」
マサキの目の前にはマリンを投げ飛ばした男が。マサキは内ポケットからナイフを取り出し、男に突き刺そうとするが男に手首を掴まれた。ナイフの先端は男の一センチ前で止まる。男はギュッとマサキの手首を掴む。
「うっ!」
掴まれた手を上にあげられる。
「こいつ、普通じゃない。」
マサキは痛みで顔を歪ませる。左手のナイフを離し、右手でそのナイフを掴み男に突き刺す。しかし、男の身体は硬くナイフが一センチも突き刺さらない。
男はポケットから小さいスプレーを取り出しマサキに噴出する。
「ん‼これ、は、」
マサキは一瞬にして気を失う。