表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/38

霧の悪夢。

「ん~~……。ん!? な、なにこの霧……」

寝ていた私は目を覚まし起き上がった。


「リーシャ様!」

「ユ、ユリアス? ユリアスなの?」

霧で見えにくいけど、遠くにユリアスがいるのが分かった。

微かに見えるユリアスは、私に手を振り私を呼んでいる。

そういえば私ってユリアスの顔を見た事がない。アカウント連携が面倒で見たことなかったんだ。どんな女性でも恋に落ちてしまう素顔。う〜ん、気になる。

でもユリアスはすぐ前を向いて歩き始めてしまった。

「ま、待ってユリアス!」

私は深い霧の中、ユリアスの後を追う。

でもユリアスは待ってくれない。

一体どうして? どうして私を置いて……行ってしまうの。

走っても走ってもユリアスに追い付けない。

お願いユリアス、私を置いて行かないで……。


その時。


「リーシャ、そっちへ行ってはダメよ」

聞き慣れた声が私を呼んだ。

私が幼い頃に亡くなった母の声だ。

「御母様?」

母は父とは違い幼い頃に少しだけ面識がある。

あらすじでは父、と白地でさらっと出てきただけで容姿すらなかったから。


私はそんな懐かしい母の声を聞き、母の声の方へ向かった。

すると進むにつれ、次第に霧が晴れてくる。

霧が晴れると……。


頬を舐められる感触が!

私は目を覚まし飛び起きる。


「ん!? ム、ムギ!?」

「ニャオ~ン」

なでなで。

「私が起きないから心配してくれていたのね。ありがとう♪」

「ニャオ」


辺りは相変わらず深い霧に包まれている。

そして周囲のどこにもユリアスがいない。


「ねぇムギ。ユリアスを知らない?」

「ニャオ!」

ムギはついてきてと言わんばかりに駆け出す。


止まっては振り返り、私を待ってくれるムギに暫くついていくと……。

少し霧が晴れた場所へ出た。

そこには湖が広がっていた。


こんな所に湖が。

にしても濁っていて汚い。それになんかブクブクブクしてる。

普通こういう時って綺麗で幻想的なはずなんだけど。


あれは?

湖のほとりの側には奇妙な格好をした女性が。

女性は仰向けで横になっているユリアスの側に座り、手の甲で優しくユリアスの髪を撫でていた。

どちらの顔も微妙に見えない。


「ユリアス!」

私は意志に反し思わず叫んでしまった。なんで!?

でもユリアスは気を失っているのか、私の声に反応しない。


「あら? 目を覚ましたのね。意外だわ」

女性の声は物凄く近くで囁いているように聞こえてくる。

女性は冷静に立ち上がり、こちらへ向いた。

女性は美しい人の姿から酷く醜い木の魔物へと姿を変えた。

女性の姿見てムギが低い唸り声をあげ威嚇する。


だがなんとその時! ムギがダッシュで突進し、女性に飛び掛かった。


ムギがチャンスをくれた。

私は透かさずユリアスに駆け寄り声をかける。

でもユリアスは起きない。

こうなったら仕方がない。

私は唇を近付けそっと……。一体私は何をしようとしているの!?


「ん? リーシャ様?」


触れ合う寸前で私はユリアスと目が合う。

「はっ!?」

ギューっと遠ざかる。


「リーシャ様、大丈夫ですか?」

「ユリアス?」

「随分うなされていたようですが。なにか悪い夢でも?」

「い、いいえ……。あぁ……もう日が昇りそうね。ユリアスはずっと起きてたの?」

「仮眠を何度か」

「ありがとう。こういう時、本当は交代なのに」

「気になさらず。慣れていますので。それから、不馴れですが朝食は私が用意しましょうか?」

「ダ~メ。料理は私の仕事で存在意義なんだから。それだけは残しておいてね」

「わ、分かりました。で、では楽しみにしております」

「うんうん♪」


私は立ち上がり朝食の用意を始める。

今日は雲1つない良い天気だわ。


遠くの木の影で。

「両想いでぎこちない恋……。なんだか懐かしいわね。ガジュマル、彼らは大丈夫よ。そっとしといてあげて」


#__i_85de11f8__#

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ