食事処風呂処~油~
「リーシャ様、寝床の用意が整いました。それとあちらも」
即席のテーブルと椅子。
私の切り株には敷物をひいてくれていた。
「おぉ~! さすがユリアス! なんでも手際が良いわね♪」
「嬉しいお言葉です」
「食事の方も出来たわよ♪」
そして……。
「こ、これを作られたんですか!?」
「ユリアスの口に合うかわからないけど……」
「い、いえ。とんでもないです」
薄暗くも静かな深い森の中でユリアスと一緒に食事を楽しんだ。
ムギも好物のたまごで満足の顔洗い。
「とても美味しかったです。まさか野宿でこんなに美味しい物を頂けるとは」
「うんうん♪ユリアスの口に合って良かった」
「正直、リーシャ様の料理の腕がここまでとは驚きました。こう言っては何ですが、お抱えシャフの料理とは比べものになりません」
「もぉ~ユリアスったら~褒めすぎだよ~♪」
「どれも初めてで、不思議な味と食感でした。私はなんて幸せなんでしょう」
「ユリアス……。幸せなのは私の方よ。こうして変わらず、ずっと私の側にいてくれるのはあなただけだもの。みんな……私から離れていく。お父様やお母様。長年信じていた人達はあっさりお義母様の方へ……」
「リーシャ様……」
「ユリアス……」
私達は静かな森の奥で、焚き火を前にして自然とお互いの目を見つめてしまった。
「ニャオ~ン!」
ムギがモフモフの顔を擦り付けてくる。
そ、そうよね。ムギも私の側にずっといてくれてるものね。
なでなで。
ユリアスがパッと顔背ける。
「んっ、んっ! そ、そろそろあちらも温まった頃でしょう」
「そ、そうね」
「どうだった初お風呂は?」
「素晴らしかったです。蒸気浴とはまったく違うのですね。またこのような場所で入るというのもなかなか」
「まあね。好き好んでこの場所で入りたいとは思わないけど。そういえば聞きたかったんだけど、蒸気風呂に入った後水風呂に入って死んだりした人はいないの?」
相変わらず面白い事を尋ねられますね。ああする事で心身共に頑強になるんです。みな幼少期からやっている事なので大丈夫ですよ。
ほぉ〜。私は想像しただけで心臓が止まりそう。じゃあ今度は私が入ってくる。
「警備はお任せ下さい」
私は〜入浴中〜
「ムギ」
なでなで
「ニャ~ン」
「お前は本当におとなしいな。お前みたいな魔物には会ったことないぞ」
「ニャニャ」
「ふ〜ん」このまま朝まで何事もないといいんだが。




