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ガストロノミー。

うーーーー……。

ぼっーとしていると。目が白目になってくるような。

私待つわ。ずっと、ずっと…。

…………。

……やっぱダメ。私は待つのが苦手。この心の重荷でさえ苦しいというのに。立って周囲を警戒しながら、片手で竿を持ち、釣りをしているユリアスの背を見る。ユリアスから私に言ってくれると嬉しいのにな。言ってくれないかな〜。私から言ったら…ユリアスは絶対に困る。それは分かってる。それで変な空気になって、ずっとそれを引きずっていって…………。

いやぁーー!! 考えたくもない。うぐっ。


う〜ん。それにしても退屈。

2人も変化ないみたい。

でもお魚は食べたいな。

その時、遠くの方で魚らしき物体が水面を跳ねた。

はっ! やっぱりいるんだ。私は正しかった。

やっぱりお魚と言えばお寿司かお刺身。新鮮なネタのとろける食感、そしてシャリ独特の絶妙な味わいが口の中で……あぁ! まさに至福の味! ンフ♪ ンフ♪ ンフ♪

はっ!?

2人は幸いこっちを見ていなかった。

ふー。

先ずはサーモンよね。次にイカを食べて、その次にいくらを…。

でも箸を入れた瞬間、ふわっとした身の食感が箸からも伝わって、やわらかい身が口の中で、とろけるような白身の甘みを醸し出してくれる魚の蒸し焼き料理も捨てがたい。

それかオーブンを開けた時のガツンと来る焼きたての香ばしい香りが堪らない、脂がのって身がふっくらジューシー、まさに口の中でとろけていくあのごはんが進む独特な味わいの焼き魚料理。


私は適当な思いつきで来たわけじゃない。一応下調べは何年も掛けてやってきていた。

オペラという本には魚の分布まで載っていたから自信がある。

数多の貴族や王、教皇に料理を振る舞ってきた伝説のシェフ。私がこの世界で最も尊敬する人物。最高位の称号エクストラを持つそのエルフの料理人が書いたオペラという本を、私は擦り切れるほど読み尽くしてきた。

オペラにはレシピに加えて調理器具の正しい使い方や裏技的な物まで、更に各素材の鮮度の見分け方に至るまで事細かく書かれている。特に鮮度に関する苦悩がひしひしと伝わってくる感じは、読んでいて人間味が溢れ親近感を覚えさせてくれる事もある。残念なのはエルフ独自の言語で読める人がほぼいない事。文字すら読めない貴族が多い中、これを読むのは現状不可能に近い。

私は風変わりな父の存在で、エルフと対話していたドワーフの書物をいくつか持っているおかげで部分的には理解できる。

身は脂のりが良く、濃厚な旨味、そして独特なクリーミーさを持つ食感。そして個体の中には鮮やかなオレンジ色の弾ける不思議な食感をした濃厚な旨味のある煌めく宝石を持っているとある。

つまりここでオンコリンクスという魚が取れて、オンコリンクス魚はサーモンにとても近い特徴を持つ魚だということ。


ブクブク……。水の気泡を眺める。

しかし、ホントかな〜。あれを見ていると不安になってくる……。

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