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自然の恵みを求めて。

ここが僕がこの森で唯一知っている湖だよ。

そんなに遠くはなかった。徒歩15分ぐらい。とても広い湖だけど…。

霧は出てるし、水は茶色く濁り、しかもなんか…ブクブクしてる…。

まずは水質調査。

リーシャ様、気を付けて下さい。

大丈夫だってユリアス。

袖が濡れないようにまくり、水が手に触れないように検査キットですくう。特殊なビーカーに移し、蓋をして軽く振って混ぜる。

錬金術師みたいだね。リーシャって錬金術にも詳しいの?

まあ、料理と似たようなもんだし。得意かと聞かれれば、得意な方かな。

感心している様子のアルコン。

色は黄色だった。赤はヤバいよ。黄色は大した事ない。緑は安全。

で、どうなの?

微妙かな。そこまで危険じゃないけど、注意しておいた方が良いかも。

リーシャ様、水質よりここにいる生物の方が危険です。周囲を警戒しているユリアス。

何か気配があるの?

ええ、魔力の濃度が高い場所には魔物が寄って来やすいんです。それに水を求めるのは生き物の共通ですし。

ユリアス、僕の事も守ってよね。声が震えているアルコン。

ああ。だがリーシャ様が優先だ。戦えないのか?

戦えなくはないけど……実戦経験は全くないんだ。

だったらアドバイスだ。無理して戦おうとするなよ。私に任せろ。できる限り守ってやる。

わ、私にはヒロインパワーがある。ユ、ユリアスもいるしっ、大丈夫。すー、ふー(深呼吸)


ガリガリガリガリガリガリガリガリ!!!!


アァ!! アルコンが叫ぶ。

ヒッ!? アルコンの声に驚いた私。


音の先でムギが木の幹で爪を研いでいた。

ニャア? 木の幹に爪を立てながら、私達の方に振り向くムギ。

可愛い♪ けど、ビックリした。

ガリガリガリガリガリガリガリガリ!!!!

す、凄い音なんだけど。何だかムギがいつもよりハツラツとしてる? ユリアスが言ってたように、濃ゆい魔力のせい?

ガリガリガリガリガリガリガリガリ!!!!

狂ったように爪を激しく研ぎ続けるムギ。


さ、さあ。二人とも釣りだよ。


餌を付けるの苦戦しているアルコン。

何だかアルコンって、容姿といい言動といい可愛い弟って感じ。年下が好きな人には堪らないキャラだったのかも。

餌はシュリンガー(巨大海老)の筋の多い身を包丁で叩いてほぐし、練った物。

これでいいの?

いいんじゃない。言っておくけど、私も初めてだからね。

手先の器用なユリアスは流石。さっと餌を付け終わり、落ち着いた様子で周囲を警戒していた。

こっちには体の大きなムギだっている。リーレイの森では怖そうな魔物でさえムギを見ると逃げ出していたんだから。ここの魔物だって怖くて早々に近付いては来ないはず。

ガリガリガリガリガリガリガリガリ!!!!

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