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夢の開拓地。

アルコンはしゃがんで壁の下側を一生懸命塗ってくれていた。ユリアスも残りの窓を新調してくれている。なんだかどっちも真剣にやってて可愛い。

手を後ろで組み、ユリアスの視界にそっと入る。ユリアス。

リーシャ様。

この窓、ユリアスが作ったの?

ええ、洒落た物ではないですが。

そんな事ないよ。とても素敵だよ。

そう言ってもらえると嬉しいです。一先ず雨風は防げるでしょう。危険なので余分に補強するつもりです。

任せるわ。頑張ってね。

はい。


アルコンの元へ行く。

アルコン、調子はどう?

最高だよ。この綺麗にしていく爽快感と達成感。単純な作業の繰り返しだけど、本を読んでいる時のように無心になれる没入感が何とも言えないほど癖になるんだ。

う〜ん♪ 分かる気がする。アルコンが楽しめているようで何より。

リーシャは? 何してたの?

植物に適した土壌を…そうそう。植物を栽培しようと思ったんだけど、この辺の土壌は適してなくて。アルコンならどこか良い場所知らないかなって。

あ〜…。アルコンは少し残念そうに私から視線を逸らす。この辺は全部無理だよ。土壌が何か強力な魔法で汚染されてるからね。

魔法?

うん。昔の文献で書いてあったんだ。それからずっとここは死の森って呼ばれてる。知ってる…よね?

うん…。そっか…。この森じゃあ作物は育たない。でも森は植物で溢れてる。作物だけ育たないだんなんて、何か変じゃない? 生き物だって沢山いるのに。

そうだよね。でもきっとみんな同じ事を思って調べたはずだよ。でも今までここに長く住んだ人の話は聞いた事がない。みんな恐れたり、不便を感じてすぐに別の場所に行ってしまうんだ。

そんなに昔からここはそうだったの?

う〜ん。馬車にその本があるんだ。持って来てあげるよ。

ありがとう。

少し待ってて。

アルコンが本を取りに行く。


リーシャ様、安全の為窓の数を減らすのもいいかもしれません。

そうね…。

リーシャ様。

ん? なに?

何かあったんですか?

それが…。ユリアスに土壌の件を話した。

それは困りましたね。でも魔法なら、人為的なので必ず解く方法があるはずです。

そ、そお?

ええ、経験上絶対にそうです。探しましょう。

そうね。ユリアスの言う事はいつも正しいから。

そんな事は。

ンフフ。

ハハハ。


これこれ。持って来たよ。

随分と年季が入った本ね…。

これ、本なのか?

そうだよ〜。

とても古そうな木の皮で作られた本をアルコンが開く。

3人で見る。

字1つない少しくすんだ綺麗な羊皮紙だった。

…………。

アルコンがユリアス、私と、目だけ動かして見てくる。そんな馬鹿な!!

後退り、アルコンが本を上に掲げ、見上げながらページを高速で捲っていく。

経年劣化で消えちゃったとか?

まさかリーシャ様。これが手掛かりだったんですか?

実はね。

ユリアスが少し驚いている。それか引いている。

確かに書いてたんだ! 嘘じゃない!

誰も嘘だなんて言ってないよ。ファンタジーだもん。そういう事もあるよね。うんうん。

リーシャって…物分りいいんだね。

まあね〜。こんな森だもん。何が起きてもおかしくない。尚更、ここは思った以上に危険な場所なのかも。

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