表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

6.

「俺…じゃなくて、私は痛いのが嫌だし、家族を失うのも嫌です。敵兵といえども、ただの人間で、隣国の王に命令されているから戦っているだけです。一部戦うのが好きなやつがいるかもしれませんが、それは除外します。

なので、今回敵兵をすべてその家族の元へと送りました」


「お主のやったことが良ならばいいのだが…。敵前逃亡と言われ、隣国の王に処罰されないことを祈ろう」

なんて恐ろしい。


あーもう!面倒だなぁ。王様というやつは、絶対自分は安全なところにいて手を汚さないんだよな。


「陛下!隣国の王をこちらに呼んでもいいですか?」


「お主の魔術でか?」

俺は首肯した。絶対玉座に座ったままで動かないやつだ。絶対持病は痔だろう。


俺は隣国の王を陛下の目の前に呼び出した。


「言いたいことは、直接私に言ってくれないか?土地が荒れたり、兵士の命が亡くなるのは私の望むところではない」

隣国の王はまだ事態が飲みこめていないようだった。


「ここはあなたが戦争を仕掛けた国の謁見の間です。そして、あの方はその国王様です」

俺が代わりに伝えた。


「ぬくぬくと隣国にいたようだが、そこのラルフがこの国にそなたを招待した。そちの要求はなんだ?」


「この国はなんで金とか銀とか鉱山に恵まれてるんだよ?隣国なのに、わが国にはそんなものはない」

なんだ?ないものねだりの八つ当たりで戦争?子供の喧嘩じゃないんだからやめてくれ!


「人徳じゃないのか?そんなことで戦争を起こそうと思ったりするうちはそなたに人徳がないから、金とか銀の鉱山が出ないだろうな」

陛下…、バッサリといきましたね。


「隣国なのに…」

いつまで“隣国”ということにこだわっているんだろう?


「で、そなたはどうしたいんだ?このままだとそなたは戦争犯罪人として処罰対象だが?」


「この国の金鉱山か銀鉱山をちょっと分けてほしい」


「馬鹿だな…。ものの価値を金とか銀でしか見られないのか…愚かな」


隣国の王は戦争犯罪人としてこの国の牢に入れられた。

隣国はこの国の属国になった。


「仕事が増えた~」

と殿下は嘆いているけど、俺は平和なのでいいと思う。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 隣国の王の持病は痔のくだりは笑いました。「隣の芝生は青く見える」と言う諺がありますが、まさにそれだなと思いました。隣国の事ばかりを羨む事無く、自国の民を慮っていれば、国民の士気が上がって隣…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ