5.
この事件には背後に裏がありそうだなぁ。
もし、側妃とかいるなら怪しいけど、陛下は王妃一筋だしなぁ。
国をまたいだ襲撃?ヤダよ、面倒だなぁ。
後日、戦争します宣言が隣国からきた。
その要因が“俺”だった。
『変身魔術で入学していたのに、何者かによってその魔術が我が国の許可なく解かれた。大変遺憾である』
らしい。
変身する理由なんかあったのか?その後もごく平和に学生生活を送っていたと思うが?
「うんとなぁ、後付け後付け。本当は戦勝国になってこの国にある金・銀鉱山の利権が欲しいんだよ。それをストレートにいうのは貴族としてなんか卑しい感じするから、お前がしでかしたやつを原因にしてんの」
俺は内心ほっとした。俺が戦争の引き金になったのかと内心ドキドキだったから。
「勝手に変身魔術解いたのは不満だったんだろうなぁ。そんな魔術師がそっちにはいるのかよ?的な?」
そんなこと言われてもなぁ?
陛下が言うには、「隣国に特別ほしいものないんだよなぁ」だ。
隣国はうちが羨ましいかもしれないけど、うちは別に隣国を羨ましいとは思ってもいないから、戦争する意味がない。
むしろ、兵が亡くなったり、土地が痛んだりでそっちの処理が大変だから戦争したくない。と陛下は思っている。
殿下も一応有事に備えて、マリウスとグビーズの2人の師匠を側近にしているけど、過剰防衛だよなぁ。
有事がないから。
兵も一応訓練してるけど、一応だなぁ。陛下は平和主義だし。
兵って言っても、災害派遣とかそういうので力を発揮してるよな。実際に剣を交えるってことはあんまりないなぁ。
そんな我が国に宣戦布告かぁ。
国境にマリウス師匠特製結界が張ってあります!敵意がある人は通り抜けることが出来ません。
出来たとしても、うちの兵は欲求不満(普段剣を交えてなくて)だから、全力で行くだろうな。突破できるかなぁ?
その中にグビーズ師匠がいたりしたら、絶対無理。
「痛いのを嫌がる弟子もいないから、楽だ~」とか言って、バッサバッサと敵兵をなぎ倒してそう。
でもなぁ、敵兵だって家族がいるわけで。
俺としては殺し合いとか嫌なんだよな。出来れば引いて欲しい。
隣国の王命だから無理かなぁ?
そうだ!俺が敵兵を家族の元に送ろう!そーれ!!
『テキヘイハスベテカゾクノモトヘトカエリマシタ』
おっ、結果を報告してくれうようになったのかー。
この事を陛下に報告した。