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33・進化

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

 魔王ミカは諜報員レムスと合流した。仮面だった男がサングラスだったのでちょっと驚く。


「なに、仮面だと却って目立つので、この地で使われている遮光グラスを使っているだけのことですよ」


 レムスは屈託がない。魔王も特に目立ちすぎるのも諜報員として問題かどうか意識してなかったのでそんなものかと納得する。人族は似たような顔が多くて、個性的な魔族と比べると目立つのは不利なことに気づかなかった。


「まあよい。して、レムスはこの国をどうみる?」

「地が球体であることはご存じですよね」


「むろん」昔、空を高く高く飛んでみたら空気がなくなり、地面が丸いことに気づいた。

「この国の人間は知っています。ただ、計測しただけで後は学説です。その過程で我が大陸に気づいたと」


 王国の人間は地面は平べったくて、海の端は滝のようになってると信じている。


「文明レベルが違うのですよ。魔界がなければ、王国などひとたまりも無いでしょう」

「それほどか?」

「科学技術が変異点を超えてます。この先も進歩し続けるでしょう。もしかすると2つの月や太陽を手にすることも可能かもしれません」

「待て待て、それは近い話か?」

「いえ、このまま発展し続ければ遠い未来に。でも、私や魔王様にとっては近い未来かもしれません」

 魔族の寿命は長いし、魔王は不老不死だ。


「潰すか、取り込むか」

「魔王様次第です」


――バベルの塔。

 魔王は異世界を回ったときに知った伝説を思い出した。文明レベルを一気にまるごと引き下げる。常に裏切りや仲違いしている人族が神に近い力を持ったときなにをしでかすかわかったものではない。


「ちょっと考えさせてくれ」

 この世に魔族が存在する意味に係わる。


 レムスを前に沈思した。魔王は自分が突然生まれ配下を生み出すようになったのは、人族を監視し、管理するためではないかと前から疑っていた。この星に人族はたくさん居て増えている。文明も少しずつ上がっている。この者たちを暴走させずにおくために、自分たちは生まれたのではないかと。


 そして、自分を作ったのは誰か、ということだ。


「そういえば、東大陸には前の大戦で王国から避難した者たちがルーツであるという話もあります」

 王国と東大陸の話だと思っていたが、己の根幹に係わる事象だと魔王ミカは気づいた。

全ての著作権は私、葉沢敬一にあり、勝手な書籍化、マンガ化、ドラマ化、映画化などは禁止します。

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