取る 獲る 盗る 前編
つまらないものですが、どうぞ。
「あれ、あれとってよ。ねーって。ねーってば。」
......やめろ、俺の左右でうろちょろするな...近いわ。
「お前、金は?あんのか?てかやんのか?」
このうろちょろする奴の両手で抑えながら言う。
「やんないし、あるわけないじゃん。だから、頂戴 さとみくん。」
舐めとんのか. . ⁉︎ . .その上目遣いやめなさいっての。
「..まあ、いいだろう。貸しだな。薫」
そう言って、クレーンゲームの景品を取ってやった。
売りてえ、チョー売りてえ....
そう思ってたら抱きついてきた。いい匂いがするね。
「ぬふ、ぬふふふふ。」
俺の胸の中の彼女は満足げな顔して見上げてきた。
「これが私の彼氏さんか。」
「これがお前の彼氏さんだよ。」
そう言い返した。 そう、俺らはカレカノである。
俺ら二人はその後もいろんなゲームして
思い出はパンパン財布はすっからかん。まあ、いいか
その、光景を悪魔が見てたとは知らずに。
「・・・許さない、私のさとみさんを。...」
じゃあ、またねと。薫と分かれて帰った。
そして、帰宅中。声をかけられた。
「さとみさん」と
後ろを振り返ったら、理奈がいた。
理奈は容姿端麗で教養もあり
トップの成績を持ち財力もある。
所謂、八方美人だ。てか高スペックすぎ。
「理奈はどうしてここに?」
「さとみさんに用がありまして。」
「明日の委員会の持ち物で伝え忘れがあったので。」
「でも、なんで直に?」
「・・・連絡先わからないじゃないですか。」
理奈さん曰く、最近の学校はプライバシーにより
連絡先を教えてくれなかったそう。
でも、代わりに教員に伝えて貰えば良かったんじゃ。
・・・いや、心に閉じ込めておこう。
「ついでに良かったら連絡先交換しませんか?」
・・・するに決まってんだろ。
この後、めちゃくちゃフルフルした。
翌日の放課後
理奈が委員会の用事があるとのことなので
校舎裏にいる さとみです。
「ごめんね、ちょっと準備して遅れちゃった。」
はい、これお茶。と理奈がお茶をくれたので
ありがたくいただきました。
「じゃあ、そこに座って」
そして、いろいろと委員会の打ち合わせをして
「まあ、こんなもんかな。疲れた?さとみくん。」
「まあ、ちょっとな。」
「ちょっとした話だけど聞いてよ、さとみくん?」
「この学校てさ、カップル禁止令があるじゃん。」
「・・・⁉︎ まぁ、そうだな。それがどうか。」
「うちの制服を着てる男女を昨日見たんだよね。」
「ちなみにその男女の写真。」
!?これは俺らじゃないか。驚き立ち上がった瞬間
その時、パタッと意識が消えた。
.......ぅう....ここは?.........
頭がボーッとする。この部屋はなんだ?
窓がない、ドアも鉄で、それこそ監獄みたいな。
「さとみさん、起きたんですね。」
「 理奈.....!?」
そうだ、俺はあの写真を見て。その後・・・
とすると、俺がここにいるのは。理奈の仕業?
でも何のために?
「 理奈ここは?」
「ここはね、さとみくんと私のための部屋だよ。」
「おい、それで。あの写真は!!」
そう言いながらその場から動こうとしたら
ガチャと音がした
足に鎖が付いていた。
「おい、理奈これは。なんだ?」
「それはね、さとみくんが他の娘の所に行かないようにするためにしてるの。」
「 他の娘の所に行かないって何でだよ。」
「しかも、理奈には関係ないだろ。」
「関係ないかぁ・・・。」
「私って可愛いし、頭もいいから。モテるんだよ。」
自慢し始めたぞ、こいつ。
「だから、いろんな下心全開な男達が寄って来た。」
「でも、さとみくんには純粋な優しさがあって一緒に居ても他の男達と違って苦痛じゃなかった。」
「それどころか、とても楽しかった。」
「そして、好きになった。だけど、さとみくんに告白しようとは思わなかった。この時間が永遠に続くと思っていた。」
「 でも、それは違った。」
「よりにもよって、さとみくんに彼女が出来てしまった。」
「 何回、あの女を殺そうと思ったことか。」
「でも、今はあの女のお陰でこうやってさとみくんを手に入れようと思った。」
「 もうこれで、私のものだよ。さとみくん。♪」
「おい、理奈。ごめん、お前n! んむっ..ん...」
俺は理奈を受け入れられない、薫を大切にすると。
そういう気持ちを伝えようとした時・・・
「んむっ...ん.....んじゅ......じゅる...ぷはぁ」
彼女の唇と重なってしまった。
「 理奈、何考えてるんだ!」
「私の初めてあげちゃった。♡」
「一応言うけどさとみくんには拒否権は無いんだよ。」
貶すなら優しくしてください。(`・ω・´)