85 「ダンジョンからの帰還」
レシル達は12階層で探索を終了し、9階でリリオたちと合流するのであった。
リリオたちはタヒコと共に戦闘していたこともあり、多くの魔物の素材を集めタヒコとの仲も良い物になっていた。
「レシル、無事でよかった。ジーク達も戻ってきて何よりだわ。」
「おかえり三人共。レシル、タヒコをありがとう。おかげてものすごい収穫があったよ。」
リリオたちはタヒコと共に戦闘を繰り返し多くの魔物を倒したのだった。そして、その素材をタヒコの収納に保管してもらっていた。
今までにない収穫に、全員疲れ切っていたがその心は清々しい物だった。
「役に立ってよかったよ。さあ、早く帰ろう。」
レシル達はリンたちと共にダンジョンを出るのであった。朝から入ったレシル達であったが今は、日も沈み酒を楽しむ者たちの時間になっていた。
ダンジョンの中では時間の感覚がくるってしまうことが多々あるのだが、レシル達はかなりその差が激しかったようで、ダンジョンを出ると空腹で腹の虫が鳴いた。
ダンジョンを後にギルドに向かうリンたち、レシル達も一応換金のためにギルドに寄ることにして行くとすでにギルドは夜間モードになっていた。
「こんばんわ。今帰られたんですか?」
カウンターで書類整理をしていた受付嬢がリリオやジーク達に語り掛けた。整理の手を止め、リリオたちの相手を始めた受付嬢は出された素材を見て驚いた。チームの五人が大きな袋を抱えており、広げた袋から多くのも魔物素材に道具に魔石。夜間帯の受付嬢は素材買取も兼任しているため、そのまま換金が行われたのだったが、素材と引き換えに出されたのは金貨の詰まった袋だった。
「えっと、リリオさん?もう、今度から一気にこんなに持ち込むのはやめてくださいね。特に夜間帯に!まったく、こんなに素材が持ち込まれるなんて思ってませんでしたよ。」
「すいません、たくさん魔物を狩ったので全部使えそうな所を回収していたら・・・。ははははは。」
「まあ、勿体ないですしね。それにしても、よくこんなに魔物を倒せましたね。これだけの実力が付けばランクアップも狙えるんじゃないですか?」
「まだまだですよ。俺たちなんて。今回はジークさん達の・・・。いや、レシル君の助けがあったかこれだけの成果を出せたので。純粋に俺たちの実力じゃないです。」
「ふふふ、今の話が事実でもちゃんとわかっている時点で、上を十分狙えると思いますよ。私は。」
リリオは少し照れ臭そうに受付嬢の笑顔に答え、仲間と共にカウンターを後にした。
レシル達の番となり、集めた素材を換金に出す。リリオたちほど量がないので早く終わり受け取った金も少なかった。
換金も終わり、リリオたちとここで別れることにして互いに家路につくのだった。
「おかえりなさい、三人とも。」
王城神殿で出迎えたのはククリであった。門をくぐり建物のエントランスに来た時、カルラとともに出迎えられた。ククリは、レシル達に渡しておい記録用の宝珠を出すように言いながら手を出して催促した。
「無事に帰って来てくれてよかった。さぁ、早速宝珠を調べさせましょう!」
「はい、巫女様。」
カルラがレシル達から宝珠を受け取り、そのまま解析に回すため持って行ってしまった。
「さあ、詳しい報告は解析班からの報告を待つとして、簡単にダンジョン内の話を聞かせてちょうだい。」
ククリはとても興奮しているようで、口調が前と少し違うような気もしたが話を聞きたくて自然と距離が近くなっていくのであった。
三人とも疲れ切っている上に、空腹が限界に近かったため食事をしながらの報告にしてもらい、ククリと会った大広間で食事を取りながら報告をすることになった。
報告と言っても一本道だった11階層に探索が全然できていない12階層の報告だけなので話す内容は多くなかったが、ククリはそんな話でも聞き入っていた。
「なるほどね、やはり、進むほどに魔物が強くなっていくのね。11階層の話はたまたまなのかしらね?まあ、良く分からないけれど、問題は12階層ね。フロアの作りもだけどそこにいる魔物たちも厄介な魔物が多いようだし次はかなり準備か必要ね。」
手と口が止まる気配なく動き続けるレシル達に対して、冷静に攻略のことを考えるククリ。レシル達は王城の料理のうまさに、話などどうでもよく思いながら食べていたのだったがククリがいきなり席を立ちあがったためさすがに手が止まった。
「わかったわ。ジークさんたちはまずゆっくり休んでください。私は今後について色々と考えておきます。」
ククリはそう言って席を立ち、奥の自室に行ってしまうのであった。
「はぁ、おいしいですね。王城の料理は!どれもこれも!」
「そうだな、でも、魚料理が多いから肉料理が食べたくなってきた。」
「ジーク、酒ばっか飲んでるからそう感じるんだよ。肉よりも健康を考えたら魚の方がいいんだぞ。」
三人だけとなった部屋で、残りの料理を楽しんでいたレシル達は食事が終わると今日のダンジョンについて話はじめるのだった・・・・・。
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