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79 「協力」

ジークとバルロが王城神殿でにてレシルにお礼を渡し楽しく飲み交わしていた頃、街ではうごめく者たちがいました。


「トース、ガース。何か収穫はあった?こっちはめぼしい物はなかったわ。」


「こっちもだ。素材を持ち込んだ子供なら、印象が強いからいればすぐにわかると思ったがいなかったぜ。」


「トースは?収穫あった?」


「あった、たぶん当たり。昨日の夕方、入り江辺りで取れる魔物の素材を売りに来た子供がギルドにいたらしい。その子供は、入り江の場所を受付嬢から聞いていたことも確認が取れた。」


「すごいじゃない!その子供で間違いなさそうね。」


「まだ話はある。ここに来る前にもう一度ギルドによった時、その子供の話が冒険者の間で噂になっていた。その子供は、夕方「失われた遺灰」よりダンジョンに住む魔物の素材を持ち込んだらしい。それも深い階層の魔物の素材を。」


「おい!その子供、昨日に続いて今日も魔物を狩ってきたってのか!それも、ダンジョン深層から・・・。」


「相当のバケモノね。奴隷担当のやつがやられたのもうなずけるわ。で、その子供の名前は?」


「レシル。時間的にも、動いていた範囲的にも、その子供で間違いないと思う。」


トースの報告で奴隷担当を殺した人物が分かり、見た目と違いそうとうな実力者であることを確信した三人はさらなる情報を集めに奮闘しだすのであった。

________________________________________________


「おい坊主!お前、レシルっていうやろ?俺らと一緒にダンジョン探索に行かんか?」


「おい、お前らだけで勧誘するなよ!レシル君、俺たちの所も歓迎するから来てくれない?」

次の日、レシルはジークとバルロと共にギルドに訪れていたのだがギルドに入った瞬間からレシル勧誘の嵐が巻き起こった。

レシルは一人、人混みの中に連れ去られ様々な者から勧誘を受けていた。ジークとバルロが声を後ろからかけようとも声はかき消されレシルには届くことはなく、人の中に分け入ろうとすれば鋭い視線と力で拒まれてしまった。


「ジークさん、バルロさん!」


どこからか二人を呼ぶ声に辺りを見渡し、声の主を探せばその声はダフのものだった。2人は面識のない人物に名を呼ばれ行くと、レシルから話を聞いていたとのことでこの騒ぎのことを聞くことにした。


「それがですね、昨日レシル君が持ちこんだダンジョン魔物の素材が深層の物だったということで、「レシル君の実力が相当の物じゃないか?」と言うことになりまして、そのため勧誘合戦のようにこの状況に・・・。」


自分たちの知らないところでレシルが動いていた事実もそうだが、一人でここまでのことを巻き起こしたレシルにどうしたらいいのか分からず、頭を抱えるジークだった。しかし、そのバカ騒ぎはギルマスによって平定された。


「うるさいよ!あんたたち!!!!!さっさと子供を下ろしな、そん子供はこれから昇格試験を受けることになってんだ、邪魔をしようってんなら巫女様に報告させてもらうからね!わかったら、さっさと冒険に行きな!!!!」


レシルを囲んでいた冒険者たちは、ギルマスの声によって蜘蛛の子を散らすようにギルドを出ていった。一瞬にして人気が無くなり、床に残されたレシルにバルロが手を貸します。

レシルは苦手だったギルマスにこの時ばかりは感謝の念を送らずにはいられず、帰ろうとするギルマスに頭を下げて感謝するのだった。


「おい、どうなってるんだ?人が全然いないぜ?」


「ホント、いつもの飲んだくれどももいない。」


そう言って入ってきたのはジョンとグフ。それに続いて他の仲間も入ってくるのだが、一番後ろから入ってきたリンが、ギルド内のレシルの姿を見つけ仲間をかき分け駆け出し抱き着いた。


「レシル、良かった無事で。心配したんだから。」


決して豊かではない胸に押し付けられるレシルは、顔を少しそめつつリンの胸から顔を出そうともがくのであった。リンに続いてレシルの周りを囲いだすリリオたちであったが、リリオはバルロに呼び止められた。


「あの、あなたたちはレシルとどういったご関係で?」


「ああ、この前一緒にダンジョンに行ったんですよ。途中で他の仲間と喧嘩して別れてしまいましたけど・・・。そう言うあなたは?」


「そうだったんですね。レシルがお世話になりました。私はレシルの仲間でバルロと言います。あっちにいるのが、ジーク。私たちのリーダーです。」


バルロはリリオに自分たちに説明をすると、ジークの元にリリオを連れていきジークに紹介するとギルド内のテーブル席に座り、詳しく話し出すのだった。


「リン、その辺で話してやらねーとレシルがつぶれちまうぞ。」


「レシル大丈夫か?」


ジョンとグフに止められ、リンはレシルを解放したがレシルの顔は真っ赤になり呼吸が少し荒かった。


「あら、レシルったら顔をこんなに赤くして!ふふふ。」


「{照れて赤いんじゃなし}はぁ、はぁ、{マジでやられるところだった・・・。}」


リンから解放され立ち上がったレシルは、少し離れた位置で静かにレシルの様子をうかがうガットを見つけた。そして、レシルから話しかけようとしたときガットは倒れこむように頭を床に擦り付け土下座をした。


「レシル、この前は悪かった!俺がお前と余計な喧嘩をしなければよかったのに、意地になって引っ掻き回すことをしたせいで・・・・・。」


「もう言わなくていいよ。俺も怒って喧嘩に乗ったのが悪かったし、もう過ぎたことだろ?もういいじゃないか。」


レシルはガットを立ち上がらせて、握手して仲直りしました。リンたちとレシルのわだかまりも解け、笑顔を見せ笑い合えるようになったところでジークとリリオから「途中まで探索を共にする」ことになったと突然言われました。「どういうこと」かと、リンたちを含めレシルも驚き問い返します。


「ダンジョン攻略に人手はあった方がいいだろ?だから、協力することにした。俺たちは課題にある通り10階層を目指して進む。リリオたちには10階層まで付き合ってもらうことになった。互いに協力出来て、戦闘が楽になると思えばいい話だろ?」


「ジークさんたちは、10階層以降の調査が目的だそうだから俺たちは10階層まで一緒に行って、そこから別れることになっている。話し合いではそうなった。」


両チームのリーダーが話し合い、折り合いをつけてまとめた話なのだがレシルは「協力して進むのはありなのか?」と思い、受付嬢に顔を向けると無言でOKサインを出されてしまった。

レシルとは別に「また一緒に冒険ができる」と喜ぶリン。他の三人は、10階層まで行くことに不安を感じているようだったが、決して嫌な顔はしていなかった・・・・。


読んでいただいてありがとうございました。

よければ「評価」「コメント」など、今後の励みとなりますのでよければお願いします。

また読んでください。

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