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77 「帰還」

リンたちはリリオたちと交流し、ダンジョンを出ました。傷ついていたリリオたちにも魔法薬を飲ませ、気づかなかったレシルの気遣いに心を痛めることとなったのでした。

ギルドに戻ったリリオたちは、レシルがすでにギルドを一度訪れていたことを知り、驚愕することになる。

リリオたちは10階層に一度行ったことがあったが、そこの敵の強さに長居することはできず探索をわずかにしただけで、その時は諦めて帰って来たのだがレシルが持ち帰ってきた素材はどれも10階層で取れる物だとのことで、レシルの底知れぬ実力を知ることとなったのだった。


「まさか、本当に10階層まで行ってたなんて。私なんかが出しゃばって、みんなを振り回して、迷惑かけて・・・・。」


「だ、大丈夫ですよ!!みんな気にしてませんし、リンさんは優しいから、うん。優しいから突っ走っちゃっただけですよ!ですよね!リリオさん。」


「そうだぞ、お前は悪くないから。今回のことに悪い奴なんていないから!大丈夫だ。済んだことは仕方ないしな、うん。」


自分の思い込みで仲間を危険にさらし、迷惑をかけまくってしまったリンは、自分のことを責め泣き出してしまった。ギルドフロアの真ん中で泣き出してしまったリンを、ガットとリリオが必死でなだめ、ジョンとグフが周りの野次馬に「何でもないですよー」と触れ回っている。

夕方のギルドとなれば多くの冒険者が訪れるため、フロアで泣くリンは人の目を集めてしまった。そのため、リリオたちはリンを連れてこれ以上騒ぎが大きくなる前にギルドを逃げるように後にするのだった。


________________________________________________

リンたちが訪れる前の事・・・・・・・。

レシルはダンジョンから、リンたちよりも先に帰還していた。


「お疲れ様、ダフ。」


「あ、レシル君じゃないですか。また素材を売りに来たんですか?」


今はなしているのは、素材買い取り専門の男性職員「ダフ」である。ダフとは、入り江で狩りをした時の素材買取で知り合った職員だ。


レシルはダンジョンから帰ってくると、真っ先にダフのいるカウンターに向かった。大きな袋をもって。

小さな体の子供が、にぎわっているギルドの中を大きな袋をもって進む姿は見た者は「?」を思い浮かばせた。

レシルのことを知らない者は「なんで子供がこんなところに?」と思ったことだろう。レシルを知る者は「またあの子供がいる」などと思っていたかもしれない。

レシルは周りの意見を知ることも、気にすることもなく進んでいく。そして、わずかに注目を集めたレシルはカウンターに袋の中身を広げた。

取り出しやすい大斧やスケルトンのつけていた装備品、蜘蛛の皮に、爪、蜥蜴の皮、爪、牙、鱗を並べた。丁寧にはぎ取られ、まとまられた素材を袋から次々と取り出せばそれを見ていたダフは興奮していった。


「レシル君!これ、ダンジョンの素材ですよね!それもそれなりに深いところの!久しぶりに見る物ばかりですね。最近ダンジョンの魔物の強さが上がってきているらしくて。深い階層の素材があまり出回らなくなってきたんですよ。うん、どれもきれいにはぎ取られてるし、これなら高く買い取らせていただきますよ。」


「やったー!あ、そうだ。ついでに魔石の鑑定もしてもらってもいい?常駐依頼の報酬もついでに欲しいから。」


「わかりました、用意しますね。よっこらしょっと。」


ダフはレシルが持ち込んだ素材をもって奥の部屋に入っていき、金の袋と鑑定板をもって帰ってきた。金を先に渡し、レシルが出した魔石を調べていく。

常駐依頼分の金を受け取り、レシルは大斧について気になっていることをダフに聞くのだった。


「そう言えば、さっき売った斧。あれどういうものか知らないか?地面に落ちたあとひとりでに動き出したんだけど?」


「あ、それは「動く人形リビング・ドール」の持ち物だったからじゃないですかね?その魔物の持ち物には、「魔力が宿り、魔物の手元に戻ってこようとするようになる」と本で読んだことがあります。今までにも、何度か持ち込まれたことがありますが、魔物との距離が離れていると発動しないみたいでダンジョンから持ち出された時点でただの大斧ですよ。」


レシルはダフの話を聞いて気になっていたことが一つ解決した。タヒコからひとりでに抜け、泥の塊に向かって動き出していたのは宿っていた力であることが分かり、詳しいことを知ることができたレシルは安心することができたが、ダンジョン内ではなかなか面倒な魔物だと思うのであった。


ギルドでの換金を済ませたレシルは王城神殿に帰っていったのであるが、レシルの去った後のギルドは気にしていた冒険者たちの「あの子供は何者だ!?」と言う話題で少し盛り上がることとなる。


「おい、ダフ。さっきの子供は冒険者だよな?」


「レシル君ですか?そうですよ。どうかしたんですか?」


「いや、あまり見かけない顔だったからな。」


「そりゃそうですよ。レシル君は海洋区画に来てまだ数日しかたってないですからね。今は仲間の方が体調を崩しているらしくて一人で動いていたらしいですよ。」


「ほー、で、あの子供のランクは?」


「えっ?たしか、橙ですよ。今度、赤に上がるそうですけど。」


ダフに話しかけてきていた冒険者が、ダフの言葉に驚き他の仲間にそのことを伝えると、そこでまた盛り上がり、その話を耳にしたまたほかの者が話に加わり盛り上がり、と言う風にレシルの話はギルドの中で瞬く間に広がり、レシルの存在が冒険者の間で知る所となった・・・・・・。


読んでいただいてありがとうございました。

よければ「評価」「コメント」など、今後の励みとなりますのでよければお願いします。

また読んでください。

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