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60 「夢の創造」

レシルはベットの中で夢を見た。タウロとライブに聞いた、力の説明が繰り返し頭の中で響く夢を・・・。

錬金術によって生み出された物たちがレシルの収納で並ぶ風景や、自分が畑で野菜などを育てる風景・・・。

そしてレシルは、目を覚ました。髪の毛が良からぬ方向にはね、枕に抱き着く形で目を覚ませば、窓の隙間から日差しが差し込み始めていた。


「朝か・・・。は~~~~ぁ。」


大きなあくびを一つしてベットから出れば、今では慣れた朝の一連の流れをこなす。ベットから起きて服を着替え、収納から桶を取り出し魔法で水をため顔を洗う。水は窓から外に気をつけて捨て、寝ぼけながらレシルの服に入り込んできたタヒコを確認する。


「はぁ~~~ぁ。さてと、準備をするか。」


ジークとバルロは、昨日の酒が抜けないのかまだ起きる気配はなく、「遅く帰ってきた自分の方が早起きなんて」と思いつつレシルは二人が起きるまで「錬金術」を使いだした。


レシルはいつも素材さえあれば作っている、魔法薬の調合を「錬金術」でやろうと思い収納から材料を取り出した。薬草に、効果を強めるための魔石の粉末、薬へと変化させる溶液。

いつもであれば魔石を粉にするところから始まり、薬草の加工など手間がかかるが、ためしにと「錬金術」を心の中で念じ発動させれば材料は光だし、用意しておいた小ビンの中に納まる形で魔法薬ポーションは完成した。


「もうできた・・・。ナニコレ、チョー便利じゃん!!!!」


朝から、今までかけていた手間が何だったのかと思わせるほど早く完成した魔法薬に興奮し、ありったけの素材で魔法薬を高速量産する。

材料の備蓄はそこそこにあったが、百を超えた辺りで溶液が無くなりストップした。これだけでも、レシルが今現在収納している魔法薬の数は、種類にもよるが合わせると三百近くになるほどであった。


「今度は、溶液の材料も積極的に集めるようにしたいな。ふふふ、これから「錬金術」を使うのが楽しみになったな・・・。」


レシルは朝からうれしい成果とこれからの期待に、悪そうな笑みを浮かべこれからの方針を考えるのであった。

そんなことをしていれば、作業中に起き出したバルロが顔を洗って部屋に戻ってきた。


「終わったんですかレシル・・・。今日は朝から機嫌が良さそうで・・・うぷ!!!」


バルロは見事に二日酔いになっていた。一応、バルロは顔もしっかり洗いに行ったし、服だってしっかり装備を付けた格好をしているが、顔色はとても悪そうだ。今は、ベットに腰掛け干物のようにうなだれる格好でいる。


「タヒコ、バルロのとこに行ってくれ。  「癒しヒール」」


レシルはタヒコをバルロの所に行かせ、タヒコを返して回復魔法をかけてやった。さすがに損傷を治す魔法で状態異常に当たる酔う状態を治すことはできなかったが、だいぶ楽になったようで顔色が少し良くなった。


「ありがとうレシル。お酒を飲むときは、これからほどほどにしますね。」


「そうしとけ。どうしても飲みたいなら、薬を先に飲むか寝る前に飲むようにしろ。次の日のことを考えないと、今みたいになるからな。 ほれ、薬。」


レシルはバルロに薬を渡し、少し休んだらジークを起こして食事を取りに行こうと言い、自分のことに戻った。

タヒコはバルロの頭の上で二回ほどやさしくトントンした後、レシルの元に戻ってきた。バルロに「お大事に」とでも伝えたかったのだろう、バルロはタヒコに感謝をまだ元気の篭ってない声で伝えるとベットから椅子に移りテーブルにうつ伏せになった。


「はあ、これじゃあ出発は伸びるかもな・・・。先にジークを起こすか。  起きろジーク、朝だぞ。」


レシルがジークの隠れている布団を引っ張って奪い取ると、枕に抱き着き顔を赤くしているジークがあらわとなった。服は背中の方がめくり上がり、何ともだらしのない格好。レシルはジークの体をゆすり起こそうとしたがなかなか起きませんでした。

仕方がなく、レシルはジークを転がしベットから突き落とせば、落ちた痛みと衝撃で目を覚まし、頭を押させながら起き上がりました。


「痛てーなレシル。イテテ、頭をぶつけたじゃねぇか。」


「それ、違うから。ただの二日酔いだから。さっさと顔洗って目を覚まして来いよ。今日はピクスを出発するんだろ。」


「おお・・・。」


朝からベットから落とされ、ツッコミを入れられ、二日酔いのジークはバルロ同様、頭を押さえて部屋を出ていきしばらくして帰って来ました。

バルロと同じ様に、ジークにも薬を渡し少し落ち着くのを待っていましたが、先に飲んだバルロでも食事がとれるほどに回復できておらず、レシルは自分だけ食事を食べに行き、厨房を借りて軽食を作り持っていくことにしました。


「二人ともどうする?出発するか?それとももう一泊休むか?」


「そうですね、私は出発しても大丈夫ですよ。起きた時よりもだいぶ良くなりましたし、ジークに合わせます。」


「だ、そうだけど。ジークはどうするんだ?」


「出発しよう。まだ、本調子じゃないが歩いてれば何とかなるだろ・・・。」


「全く、無理はするなよ。「癒しヒール」  ヤバそうなら早めに言え。あと二人共、サンドイッチを作ってきたから少し腹に入れとけ、無理はしなくていいけど倒れられると俺一人じゃどうしようもないからな。」


2人は、レシルからサンドイッチを受け取り二、三口食べた後レシルに返して出発した。 

返されたサンドイッチは収納にしまって、いつでも変わらず食べられる状態で保管してあります。


いつもと比べ遅い足取りで進んでいるため、ハッキリ言ってピクスがまだうっすらと見えてしまう距離しか進んでいない。

これも仕方なしと、レシルは休憩をこまめにとりながら二人の回復を優先しつつ三人は進んだ。

レシルは休憩のたびに余る時間を自分の内のために使た。ただただ回収しただけとなっていた、魔物の死体やごっちゃにしまっていた素材などを整理したりした。タヒコが集めた素材などは特に薬草を中心に多く集めてくるので時間が掛かった。




昼も過ぎ昼食も食べ終われば二人の体調も良くなり、いつもと変わらぬ様子となったが、今日は出発が遅かったこととペースが初め遅かったこともあり、これより先は少し急いでいくこととなった。いつもよりも速足で道を進み、少しでも遅れを取り戻そうと進むが結局野宿するときには、予定していた距離には1/3ほど足りなかった。


「はあ、仕方のないことだからそんなに急がなくてもいいだろ。」


「ダメだ!冒険者として期限までに到着することを求められる時ある。そう言うのを想定して動かねーと。」


「ただの試験なんだしいいじゃん。ギルマスだって厳守しなくていいみたいなこと言ってたし。」


「ダメだ、できる限り予定道理行くように、明日は少し早めに出発するぞ。」


「{変なところで真面目なんだから・・・・・。}」


「まあまあ、ジーク。私たちのせいで遅れてるんですから、あまり気負わないでくださいね。」


ジークが焦りだしてきているのは、予定している「ピクス」からこれから向かうこの国の首都「アティカス」まで行くのに予定している日数が三日しかないためであった。その分距離が短いとも言えるがその一日目を有効に使えなかったため焦っていた。


レシルは「こんなこと今さら考えても・・・。」と思い、先に寝かせて貰うことにした。タヒコと共にテントで眠りにつき、交代の時間まで休むのであるが、最近レシルは眠るたびに夢を見るようになっていた。

四つに区切られた白い部屋を真上から見つめているレシルがおり、その中では薬草や動物たちが育てられてられ、他の部屋では魔獣などもその部屋の一つに入っていた・・・・。何とも不思議な夢であり、よくよく真上から観察していれば、四つある部屋のそれぞれには大きな白い猿が出入りしていた。三メートルはあろうかと思える大きな猿は、この四つの部屋を自由に行き来できるようで薬草の部屋で手入れをし、動物の様子を確認したあと、魔獣と話をして、最後の一つ、真っ暗で何も見えない部屋に消えていった。

白い猿が四つの部屋を管理している変な夢。何だろうと夢の中で考え出したところで、交代時間となり起こされてしまった。


「うー、もう!!!ちょうどいいところだったのに、もう少し寝かせてよ!」


「ええ!?今度はレシルの見張りの番ですよ。私にも寝かせてくださいよ。」


バルロに起こされ渋々見張りを変わったレシル。燃える焚火の前でレシルは夢のことを思い出し、夢で見た光景を想像し始める。夢では白い部屋に地面があり、薬草が植えてあり、栽培されているようであったことを思い出す。それではあまりに「殺風景」とレシルは思い、その周りに茂みや木をイメージし、ついでにとログハウスまで立ててあげれば「森の中の隠れた畑」の完成!


「落ち着いて生活をするようになったら、こういうところを作るのもいいかも。」


夢から想像した畑を案外気に入ったレシルは、将来やりたいこととして頭のページに書き込んだ。そんなことを考えて一人タヒコに笑いかけていると急にめまいが襲ってきた。

座っているがゆえに倒れることはないが、体を地面に任せ横になり、意識が飛ばないように必死に抵抗したがそのまま瞼は閉じていった・・・・。


「は!」


レシルが意識を失ってから目覚めるまでさして時間はかからなかった。タヒコが急に倒れたレシルに必死に起こそうと顔をゆすり、寝たばかりのバルロを起こしてテントから引っ張ってくるところであった。


「レシル何かありましたか?急にタヒコが大騒ぎできましたけど。」


「だ、大丈夫。少しめまいがしただけだから。無理そうなら、早めにジークに代わってもらうよ。」


バルロは「無理はしないでください」とだけ言い、テントに戻っていった。タヒコは、起き上がり座りなおしたレシルを心配そうに見ているが頭をなでて落ち着かせてやる。


「(どうしたんだろう・・・?)」


レシルは、自分が急にめまいに襲われたことに心配を感じました。念のためにと、レシルは自分の中を魔力で調べていきますが特に変なところは見つかりません。「疲れが出たのかな」と思い、結論づけていればタヒコが収納から魔法薬を取り出し渡してきます。「ありがとう」と感謝しつつ飲み、瓶をしまおうと収納に入れようとしたとき、違和感を覚えました。


{!?}


なにかと思い、恐る恐る収納に手を入れれば明らかに違う感覚が手にあります。レシルは、魔力を体ではなく収納に使い中を調べ出すのでした・・・・・。


読んでいただいてありがとうございます。

よければ、また読んでください。

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