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36 黒幕

今日は、レシル達三人詰所に来ています。そして今現在、レシルはなぜか苦しむ兵士たちの手当てをしています・・・。

話はさかのぼる事、午前中早朝。レシル達は、昨日受けた依頼のために詰所に行きました。そこで、依頼の説明を聞きました。


「シュラーシュさん、昨日こんな話は無かったのになぜ急に?」


「すまないね、昨日あんたたちが帰った後に決まったんだよ。勧誘には失敗しても、まだ色々とできそうだとね。だから、すぐに依頼を出させてもらったってわけさ。」


「本当に、申し訳ないな。私が、大隊長に思いついたことを行ってしまったばかりに・・・。」


話によると、ギッシュが思いつきで口に出したことにシュラーシュがその気になってしまいとんとん拍子に話が進んでしまったとのこと。まあ、それは仕方ないとして・・・なぜ、レシルが手当てをしているかと言うとジークがノリノリで兵士たちをいたぶっているからであった。。

シュラーシュから言い渡された依頼内容は、「兵士たちの訓練教官として強くしてほしい」と言う者でした。初めの内こそ、走り込みや筋力アップなど兵士たちが日頃からやっていることを中心にやっていましたが、シュラーシュの一声と兵士たちからの不満によって今現在に至ります。


「レシル、ため息してないで仕事してくださいよ。こっちは、忙しいんですから。」


「それでもバルロはいいじゃないか、料理運ぶだけなんだから。俺が何で、つぶれた兵士たちの面倒を見ないといけないんだよ。」


「レシルしか、回復魔法を使えないからですよ。わかりきってるじゃないですか。」


レシルは回復魔法が使えるだけで、ここで汗まみれの泥まみれのむさ苦しい男どもの手当てをしなければいけなくなってしまったのです。こんなことをしている合間にも、ジークによってつぶされた兵士が・・・、あ、ホラ、また・・・。

受けもった、50人の兵士の内すでに10人以上がここで寝ていますがお昼までに何人復帰し何人持つのやら。





「ふふふ、ジーク君たち部下を絞ってくれているみたいじゃないか。スパルタだね~。さてさて、こちらも、早くことを済ませますか。」


窓から眺め、走り回る兵士たちを見て笑うシュラーシュは、机に置かれた手紙を極秘裏に届けさせるのであった。

シュラーシュは、これから始まる大仕事の前に運動場で繰り広げられる押し問答に笑いつつ考える。今回、レシル達を呼んだのは純粋に兵士たちの訓練のためではなく、詰所と言う場所で気をそらすための種なってもらうためだった。今現在、本来の目的のために汗水流して奮闘している兵士も確かにいるが、その裏で悪だくみをする者も少なくない。だからこそ、ここに溜まっている膿どもの隙を突き追い出さねばと考えていた。




「ピーーー。ここまで。これより昼の休憩に入る。順次呼吸を整え昼食をとるように。」


ジークの笛の根でひたすら走らされていた兵士たちは解放された。結局最後まで走り続けていたのは復帰した者を含めても20人と少し。中々数が多くレシルは驚いていたが、終了と共につぶれる兵士がほとんどであった。

バルロによって運ばれてきた料理は、詰所の食堂で作られた物で、外に用意した机に料理をよそい並べ兵士たちに渡していく。

レシルによって、看病されていた兵士たちは今ではすっかり元気になっているがさ先ほどまで走っていた者たちはまだ無理そうだ。レシルは、そんなことを思いつつ全員分の水をコップに注いでいく。


「はーーぁ!久しぶりにこんなに走ったから結構疲れたぜ。レシル、俺にも水くれ。」


ジークも戻ってきて、レシルから水をもらうと一気に飲み干し一息つく。ジークは、兵士たちの走るペースが落ち始めたあたりから一緒に走っていたのだ。兵士たちほど走っていないとはいえ最後まで走り切り今でも笑顔を見せているジークの体力はとんでもないものだろう。

そうこうしていると、倒れていた連中も復活してトボトボと歩いて来る。疲れ切った連中に順番にレシルが回復魔法をかけ、食事をとらせた。疲れ果て、しゃべる元気もない兵士たちは静かに食事をとっていたが突然、運動場に大声が響いた。


「お前たちここで何をやっている!!!」


大声を出していたのは、レーブンだった。兵士たちはレーブンの姿を見つけるや食事の手を止めその場に起立し、命令を待つがごとく直立しだした。そして、一番近場にいたレシルが声をかける。


「シュラーシュさんから、許可は頂いてます。何も問題はないはずですが・・・。」


「そうだぜ。ちゃんと許可は貰ってるし俺たちは依頼でここに来てるんだ、文句があるなら先にシュラーシュ総隊長さんの方に言うべきじゃねーのかよ。」


レシルに言葉を返そうとしたレーブンにすかさず、声をかけ矛先を変えようとするジーク。

兵士たちは、直立したまま見守るばかりであったがレシル達三人は集まり、レーブンに向かい合う。レーブンは、仕方なしと何も言わず去って行った。

一波乱起こったことにより、レーブンが去った後も緊張感が残ってしまったがジークが一声あげて元に戻し兵士たちは、緊張がほどけたように食事に戻っていった。


「あいつ、なにかと目の敵にしてこねえか?」


「確かに、いきなりあんな風に声を荒げなくてもいいと思いますね。」


「・・・・・・」


黙り込むレシルに、ジークとバルロはどうかしたのかと心配してくれるがレシルはボーとしていただけだと話を終わらせました。






レーブンは、シュラーシュの元に向かっておりました。レシル達のことを聞くために・・・。


「コンコン。失礼します。シュラーシュ総隊長、なぜあ奴らを訓練官としてお呼びになられたのですか。」


「あの者たちは、実力を十分に持っている冒険者であり、話したところその性格も穏やかであると判断した。勧誘は、断られてしまったが訓練官として協力してもらえることになったのだ。」


「理由はわかりましたが、わざわざ部外者を招かずとも好いと思いますが。」


レーブンは、シュラーシュに引き下がることなく進言を続けますがどれも意味も成しませんでした。

レーブンは諦め、部屋を出ていこうとしますがシュラーシュに呼び止められました。シュラーシュは、ここでレーブンをやろうとしていることを止めようと言葉をかけましたが「なんのことですか?」とはぐらかされ出て行ってしまった。


「また、何かしでかすつもりのようだな。今度こそ追い出す一手を打つとしよう・・・・。」


______________________________


「良く集まってくれた、お二方。やつは都合により今回の会合には参加できないとのことだが、我らが金の生る木を脅かさんとしている者が動き出しているとのことだ。」


「なんと、ついにか!もしや、証拠を掴んだというわけでは・・・。」


「いや、そんなはずはない。儂はそんなミスしてはおらんし、警戒も怠ってはおらん。」


「まだ、証拠は掴まれていないとやつが言っていたので大丈夫だと思う。しかし、動き出したことは事実でありこちらも何かしらの手を打たねば危うくなるかもしれんと言うわけだ。」


今集まりて話し込んでいる三人こそ、ガトークにて幅を利かせている貴族や豪商の面々である。ここにいる三人は、兵士たちの物資の横流しや遠征の際の荷物に商品を紛れ込ませるなどして莫大な利益を上げてきた者たちで、それ以外にも様々なことに手を出している連中であった。

兵士たちを使うことで、荷運びにかかる運搬の費用は国持となり横流しすることでそのすべてを利益に変えていたのだ。この街で、これほどまでに大きくなることができたのもこのやり方をやってきたためであった。三人は、それぞれの立場からまっとうで合法的な仕事もしているが裏ではあくどいことをしていた。


「とリあえず、やつは監視も含め下手に動けないため我らで色々と仕立てなければならない。我らの富を守るために・・・・。」



________________________


「シュラーシュの動きには注意していてくれ、何かあれば私に報告をすることを忘れないように。くれぐれも、さとられないように行動してくれ。」


三人が会合をしている間にレーブンは、できうる範囲で指示を出していた。相手の動きを監視しいち早く動けるように、何かあった際には行動に移せるように・・・・。


「コンコン。」レーブンの部屋にノックする音が響き声がかかる、ギッシュの声である。

レーブンは、何事もなかったようにギッシュを出迎え招き入れた。


「突然、なんのようだ。ギッシュ。」


「レーブンよ、シュラーシュ大隊長から、ある話を聞いた。お前が、これからなにかしでかそうとしているとな。」


「なんのことだ?」


「とぼけんでいい。お前が、方々に手を出し横流しや横領していることは大隊長から聞き及んでいる。今ならまだ何とかなるやもしれん、やろうとしていることを止め自首するのだ。私も、できうる限りの弁護をはかる。だから、共に大隊長の元に行き自首するのだ!」


ギッシュは、レーブンに良く無い噂が絶えないことを知っていた。しかしそのほとんどは、兵士たちの悪口や妄想から端を発したものばかりでありレーブンと仕事をするようになって早三年、彼が生真面目で兵士や国のためを一番に思い行動していることを肌で感じていたからこそここに出向き説得しようと考えていた。


レーブンは、ギッシュの話を聞き終わると机の引き出しから水晶の原石のように角ばった魔石を取り出し次の瞬間、光が部屋を包んだ。

ギッシュが目を開けると、体にも部屋にも目の前にいるレーブンにも変わった様子はなかった。


「今、遮断の結界を張った。これで音は外に漏れないし、中に人が入ることもできない。」


「ギッシュ、私はそんなことはしたことはない。それらはすべて、シュラーシュ総隊長がやっていることだ。」


「馬鹿を言うな、レーブン。大隊長は、素晴らしいお方だ。そんなことするわけがない!!!!!!」


レーブンは、別の引き出しから紙の封筒を出し掛かっていた封印を解くと中の紙を机に広げ始めた。これらは、レーブンが詰所に来てからの三年間で集めたシュラーシュに関する資料であった。内容は、シュラーシュの家のことから始まり、周辺の交友関係や近しい人物、金の出入りなどが事細かにまとめられていた。

そして、最後に出された資料にギッシュは驚愕することとなった・・・・・・。


読んでいただいてありがとうございます。

よければ、また読んでください。

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