表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/91

13 旅立ち

あけましておめでとうございます。

最終投稿から少し空いてしまいましたが、これからまた頑張っていきます。

今年もよろしくお願いします。

レシルは、一般人にはあるはずのない適性に気づかぬまま魔法の高みを目指し修行していく。

制御のできなくなった魔法に根気強く付き合っていくであろうレシルのこれからの成長は・・・。

________________________________________________


レシルがケガをして休むこともあったが、岩山で修行を続けていた。

レシルには明確な目標があり、クマと戦いケガをしてから以前のようにうまく魔法が使えない。

焦る気持ちもあったが修行を諦めずに続けていたある日、レシルの岩山での修業が村で問題になってしまった。

魔法が使えることはバレてはいなかったが、毎日岩山まで行き剣の修行とたまに訪れる魔物との戦闘に関してバレてしまった。


狩人を生業としている村人が、たまたまレシルを見つけてしまったらしく村で問題になった。

レシルは八歳、しかもついこの間クマと戦いケガまでしている。

大人たちは、怒鳴り散らす者、目に涙を浮かべる者、何か考えている者など多くいたが村長が騒ぐ村人を治め話し出す。


「レシル、お前はこの村の生まれではない。しかし、今となれば生みの親はおらずともこの村の大切な子供であり家族だ。私は、レシルがこの村に来てから本当の子供を育てている気持ちで世話をしてきた。レシルは、頭もいいし剣だって十分に使える。上を目指し、努力も怠らない事には関心すらするが、なぜ、ここまで危険なことをする?私は・・・・。」


村長は、途中から目がウルウルとし出し言葉をすべて話す前に涙が頬を伝って落ちていく。

そんな村長の姿に他の者は静かに黙ってみていた。

アンナが村長の肩を抱き、落ち着かせる。


「俺は、ただ強くなりたいだけです。みんなが俺を心配してくれるのはうれしいですけど、俺は強くなりたいんです。俺を見守ってくれている人のためにも、早く一人前になって独り立ちしたいんです。」


「あー、聞き分けのないガキだ!お前がこの村の外に出て何になる。お前の力なんて、外に出てしまえは通じない相手ばかりだ。クマと戦って、死にかけるような奴が大口叩いて、生きがるんじゃねえ。」


ガースが、一通り話しながらレシルを殴る、顔を腹を。転がるレシルを足でけり上げ、気を失ったのを確認すると、担ぎ上げ村共有の倉庫に閉じ込める。


「村長。あいつはまだガキだ。才能は確かにあるが、そのせいで天狗になってる。とりあえず、あいつが反省するまで様子を見つつ閉じ込めようと思うが・・。」


「ええ、私も同意見です。あの子に思うところもありますが、ここで鼻を折らねばあの子はこの村を出てからも自分の力を慢心して成長してしまうでしょう。あとのことを任せていいですか?ガース」


涙を袖でぬぐいながら、ガースの同意を確認すると村長はアンナと一緒に家に帰っていった。






「ここ、どこだ?扉があかない。」


レシルが目を覚ましたのは、夕方でちょうどガースとジークが食事を持ってきていた。

扉がガタガタと音を立てているのを見て、レシルが起きたことを二人は確信した。

扉を開け、二人が入るとレシルはどうして自分がここに閉じ込められているのか聞いてきたので、一通り決まったことを話す。

レシルは黙って考えているようで、ガースはレシルをただ見ておりジークは持ってきた食事を木箱に置くとレシルに話しかける。


「なあ、レシル。みんながここまでして心配してるんだぞ、ちゃんと謝ろうよ、な。」


ジークが話し終えると、レシルは少し戸惑っている顔をしていた。どうしたらよいにか、悩んでいるようであったが、ガースはジークの服を掴み上げると、どんどん出て行ってしまった。

倉庫には、唖然と座り込むレシルと、木箱の上の食事のみ。

扉に再び鍵がかかり開かなくなった。外も、すでに暗くなってきており。わずかな明かりを頼りに食事を食べる。食事が終われば、後悔の始まりだ。自分がどれほど周りの者に心配をかけたのか。周りの者が、どれほど自分に良くしてくれたのか・・・。

自分の行動と周り人の親切、それを取りまく感情・・・。一晩中、考えに考えを巡らせていく。

レシルは、考えを暁を拝むまで続けていた。そして、レシルは結論を出す。


「この村を出よう。」


レシルは、初めの内は懺悔のように後悔の念に苛まれていた。しかし、考えに考えを合わせまとめていくうちに、達観的にものを考えるようになり、この結論をだした。

本来、人はゆっくりと成長する。体、心、考え方など、周りの環境や出会う人と関わることでより思考は進化する。しかし、レシルの場合、前世の知識を持ちその知識に含まれる多くの考え方によりその思考を並々ならない速さで成長させた。

暁を見つつ考えがまとまったレシルは、ガースとジークを待った。

朝食を持ってきたのはガーズ一人だったが、ガースは扉を開け食事を夕食同様木箱の上に置く。


「ガースさん、俺、一晩考えて決めました。この村を出ることを。」


ガースは一瞬驚いた顔をしたがすぐに、顔が強張り小さく震えだす。


「お前はまだそんなことを言うのか・・・。いいか!昨日も言ったが、お前はまだガキだ。まだまだ弱い、そんなお前が外に出て何になる!死ぬだけだ。意味のない無駄死にするとわかっているのになぜに、行こうとする!!!」


「俺は、この村に感謝してます。その優しさも。でも、もう決めたことです。今までお世話になりました。」


レシルは、怒鳴るガースに毛ほども動じず淡々と言葉を返しその様子に、ガースのボルテージは今までないくらいにまで上がっていた。

痛い目を見せようと、レシルの服を掴もうと突進するように体を出し掴もうとするがレシルはかわしてしまった。驚いていると、レシルはガースの横を抜け外に出る。

すぐさま、レシルを追いかけガースは走りながら大声で叫び散らす。


「レシルが逃げた、捕まえてくれ。」


その声を聞きつけた村人が駆けてくる。そのほとんどは元冒険者たちで、レシルの前に次々と人が集まり逃げ道を減らしていく。

逃げ回って、身を隠し、さらに逃げて村長の家までレシルは来た。外ではレシルを探して村中がざわついている。自分の部屋でレシルは、自分の集めたものを収納していく。需要の多い薬草や作った薬をいくらか置いて行くことにし、部屋の中を軽く整えるとドアを開けた。

すると、ちょうど村長が廊下を走っておりレシルを見るや驚いていたが、年寄とは思えない速さでレシルを掴むと体を押さえつけた。

さすがわ、そこそこ名の知れた元冒険者。その技は今も健在であった。


「レシル、なんで逃げ出したんだい。反省すれば、それで終わったのに。」


「う、うう・・・、俺は決めたんです。この村を出ることを。」


無理やり、村長の腕から抜け出し顔を向かい合わせる。


「俺は、隠してきましたが魔法が使えます。教えてもらった体術や剣術に魔法も合わせれはなんとか生きていけると思います。」


「確かに、その話が本当なら生きていけるかもしれない。でも、お前はまだ八歳だよ。まだ甘えていていい年なんだよ。十分に強くなってからでいいじゃないか。」


「普通の子供であればそれでいいかもしれませんが俺には親がいません。いるのは、六歳まで育ててくれた人と、この村の人たちだけです。そんな、親なしの俺を、実の子のように接し世話をしてくれたことにすごく感謝しています。これ以上迷惑をかけるわけにはいきません・・・。」


「レシルがそこまで考えなくていい、と言いたいが聡いお前だ、そんなことを言っても無駄なのだろう。結局私は、お前の親になることはできなかったというわけだな・・・。」


「確かに、俺が村長を親と思ったことはありません。でも、俺のことを常に考え村のために尽力している村長は俺にとってお手本になる大人だったと思っています。」


「そう、レシルの本心が聞けて良かった。    もう、行くのかい?」


「はい、喧嘩別れのようになってしまいますが仕方ないと思ってます。できれば納得してもらいたいですけど無理でしょうし。」


「確かに、冒険者は本来の目的を冒険としているためか子供をとても大事にする。少なくとも、この村のやつらは。だから、大切に思うがゆえにここまで必死になっていることを理解してほしい。」


「ええ、わかっています。ここの人たちは、とっても優しい人たちばかりですから。」


レシルはそう言い切ると、裏口から外に出ていこうとする。


「村長、ジークに約束を守らなくてごめんって伝えてもらえますか。あと、リアやヤナにもごめんって。」


静かに村長が頷いたのを確認すると、レシルは太陽に頭上から照らされ村を逃げるように出ていった・・・・、





_______________


「村長、レシルのやつ村のどこを探しても見つかりません。村の外にも探しに行ってみようと考えてるんですが・・・。」


「もう、探さなくてもいいよ。あの子はもう、旅立ったから。」


報告に来たガースは、村長の言葉に驚いたがそれ以降の表情に怒りの気配は微塵もなかった。


「はあ、ほんとに行っちまったんですか。もう俺にはあいつが死なないように立派になってくれるのを祈ることしかできないんですかね・・・・。」


ガースはそうつぶやきながら、村長の家を後にした。

昼をまたぎ、村はいつも通りの穏やかな雰囲気をまとっていたが、ジークは村長からレシルの言葉を聞いて怒っていた。


「先に村を出やがって!俺が村を出てあいつを見つけたらいろいろと言ってやる!!!」


ジークは、レシルへの悔しさをバネに二年間村で成長を重ね、村を旅立っていくのはこれから先の話である・・・・・。



読んでいただいてありがとうございます。

よければ、また読んでください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ