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10 村の外

2018/1/22 修正を入れました。

村長の家に住むことになったレシルは、アンナの娘リアに村の中を案内してもらうことになる。

リアは、レシルに村の中をあらかた案内し終えると村の外へレシルを連れ出すのであった・・・。

________________________________________________


リアは、レシルの手を引き村の外へと向かった。村から約二百メートルほど離れればそこには、平らで開けた野原が広がっていた。レシルとリアは、二人で野原を転がったり、走ったりして遊び、疲れると野原にポツンと生えている一本の木の根元へ行き休んだ。

レシルの隣で仰向けになって休んでいるリアを横目に、体を起こすと今まで触ってきた草とは違った手触りの草に気づく。レシルはその草を手に取るとその草が薬草であることを思い出した。

聖樹によって多くの動植物の知識を持つレシルは、さらに薬草がないか辺りを見渡すと見つけた薬草以外にも何種類か薬草が生えていた。

レシルは夢中になって薬草を集め始めた。リアはそんなレシルを目にとらえつつ、もう少し休もうとそのまま寝っ転がっていた。


「レシルー、そろそろ帰ろうよー。」


リアは、体力が回復するとレシルを呼んだ。レシルも、その声に手を振ってリアのところに戻ってくる。

そんな、レシルの手には両手いっぱいに薬草が握りしめられていた。リアは、それに気づくと手に持つ草について聞いてきたが、レシルは薬草だと答えつつ村に向かって走っていく。

リアも、逃げるレシルを追いかけて村へと帰る。



アンナは、仕事が一段落したので家に帰ろうと道を歩いていると、こちらに走ってくるレシルとリアの姿を見つけた。

リアは、アンナに向かって手を振りながらレシルを追いかけ、二人はアンナのところで止まった。

2人が仲良さそうにしているのを見て安心していると、レシルの持っている草に気づいた。


「レシル何を持ってるんだい?・・・薬草?」


アンナは、レシルが薬草を両手いっぱいに持っているのを見て、話をレシルに聞くとよくこれだけ集めたと感心していた。

リアはアンナと帰ることになったので、ここで別れた。

別れ際、レシルは今までのお礼もかねて取ってきた薬草を半分アンナに渡すとありがとうと受け取り、二人で帰っていった。

レシルも暗くなる前に村長の家に帰ると、取ってきた薬草を見せる。


「おや、全部薬草だね。よくこれだけ集めたね。」


村長は、レシルの持ってきた薬草を見て感心していた。

そんなことをしていると、家に置いてけぼりにしてきたタヒコが飛びついてきた。どうやら、置いてかれたことが悲しかったらしく、タヒコは家の中を行ったり来たりしてたらしい。

レシルはタヒコに謝りつつ、村長に薬草を渡し、手を洗いに行く。

戻ってくると、村長が夕食の支度をしており取ってきた薬草を使ったスープを作っていた。

夕食は昨日と変わらないメニューだったが、薬草も入ったためか昨日よりもおいしく感じた。

そんな食事を食べながら、レシルは今日リアと遊んだことを話していく。

村長は、レシルの話を嬉しそうに聞いており、タヒコは時々機嫌が悪そうにレシルに絡んできてたが楽しい夕食を過ごした。

夕食の片付けが終わるとレシルは、ここ数日やっていなかった魔力を増やすためと魔法のコントロールの瞑想修行を始めた。

日も完全に落ち、灯しているろうそくも短くなってきたのでレシルは寝ることにした。


次の朝、レシルは日の光が大地から漏れ出す頃、昨日リアと遊んだ野原に向かっていた。

野原にある昨日休んだ木まで村長の家から修行のため全力疾走だ。時間を要せず野原までは着くことができたが疲れたので、少しの休憩もかねて瞑想をする。

今日はタヒコも一緒だ。タヒコは、瞑想するレシルの横で一緒になって魔法を使っている。


レシルは休憩を終えると、薬草を探して辺りを探し始める。昨日と同じところではなく村からさらに離れた野原を探しているとまだ結構生えていた。タヒコにも集めている草を教え二人で薬草を集めていく。

日も登り、朝食の時間になる前に集めた薬草を布に包み持ち帰る。

帰ると村長がスープを並べ終えたところで、布いっぱいに薬草を持ってきたレシルに驚いてた。

レシルとタヒコは手を洗い、朝食を済ませると薬草を薬にするためにテーブルでそれぞれをまとめていた。


「レシルちょっと手伝ってほいいのだけどいいかい?」


村長呼ばれて、話を聞くと村の共同の畑の水やりと草抜きを頼まれた。

レシルは、薬草を片付け村長と一緒に畑に出かけた。畑には、数人の大人と子供がいた。村長は、他の大人たちと話をし始め、レシルは話が終わるのを待っていると子供たちが集まってきて話しかけてきた。

子供は、三人いて男の子一人に女の子二人いたが、一人はリアだった。


「おい、お前が、村長さんのとこにいるルシルか?」


「俺の名前は、レシルだよ。確かに村長のところにお世話になってるけど。」


三人のうち、ほかの二人よりも背が大きく少し上からものを言ってきた男の子は他の二人の前に立ってレシルに話してきた。その横から、女の子が「どこからきたの?」と質問を投げかける。二人の後ろからはリアが手を小さく振ってきた。

レシルは適当に森の奥に住んでたと言うと、二人に名前を聞いた。


「俺の名前はジーク、こっち二人は、ヤナとリアだ。」


「よろしく。さっきも言ったけど俺の名前はレシルで、こっちはタヒコ。仲良くしてくれると助かる。」


三人そろって「よろしく」と、一区切りがつき、タヒコに目線が集まると、村長が戻ってきて子供たちで水かけをするように言ってきた。

ジークをはじめ三人が返事をすると、バケツを持ってレシルを井戸へ連れていく。

レシルを含めた、四人の中ではジークが一番年上で八歳だった。ヤナは、ジークの妹で七歳らしい。

レシルとリアが六歳で一番年下になるのだが、ジークは言葉こそ少し荒いが案外優しい奴だった。水をくみ上げる時や運ぶときに率先してやってくれた。ヤナは、明るくお調子者の様で水を運びながらレシルにたくさん話しかけてきた。

戻ってくると、村長が草むしりを終えており、子供たちが小さなボールで植えてある野菜に次々に水をかけていく。四人で、やったことで二回の往復で水かけは終わった。


村長が終了の声をかけると大人たちは解散していったが、子供たちはこのまま遊ぶことにした。

ジークを先頭に駆けていくと、小さな小川が流れていた。

ヤナとリアは、足を水につけて遊び、ジークとレシルは川の底をさらって何かいないか探したりしていた。

レシルが底に沈んでいる石をどかし何かいないか探していると、タヒコに呼ばれ指さす方を見れば川底に何か光るものを見つけた。

手に取ってみると一センチ程の青い色の石だった。ジークに石を見せると石には興味ないのか薄い反応だった。また、別のモノを探そうと川を覗いてみたが何も見つからなかった。


みんなが飽き始めてきたので、村に戻ることにしたが戻るとジークとヤナの母親が二人を呼び、そのまま解散になった。残ったレシルとリアは、二人で野原に行くことにする。

野原に着くとこの前のように、二人木の下でのんびりと過ごしていた。リアは、暖かな日差しを浴びてウトウト。レシルは、野原をそよぐ風に心地よさを感じつつバレないように瞑想していた。

タヒコは、木登りを楽しんでいたが、レシルが瞑想しつつふと目を開けると周りにたくさんの薬草が集められていた。どうやら、タヒコが遊びつつ集めたようで結構な量であった。

タヒコを呼び、かまって遊んでいるとリアが目を覚ます。


「レシル?あ、ごめん、私寝ちゃってたみたいで・・・。」


「大丈夫だよ。俺ものんびりしてたし、タヒコもいたしね。あ、そうだ、この薬草タヒコが集めたみたいでたくさんあるからリアも持って帰ってよ。」


タヒコの集めた薬草を半分リアに渡すと喜んで受け取った。

2人で村に向かって歩いていくと家の陰に水くみをしてるジークを見つけた。二人で、ジークのもとに行くと水くみを母親に頼まれたそうだ。レシルは、ジークともっと仲良くなれるようにできることがないか考え、持っていた残り半分の薬草をジークに渡した。

ジークは、いきなり渡され少しびっくりとしていたが素直に受け取り仕事をまたし出した。

その後リアとも別れ、家に着くと乾燥させていた薬草の様子を確認した。



日が傾き、光が赤色を帯びてきていたが村長の姿が見えない。少し気になり、村長の部屋に行くと紙や本、小袋など散らかった中で仕事に集中していた。

ドアをノックし顔を見せる。村長はどうしたのかと顔を向けたが、日が沈んできていることに気づくと慌てて謝り、夕食の支度をしに台所へ行った。

レシルも村長に続き台所に向かおうとしたとき、村長の部屋の一冊の本が気になった。

部屋に入り、本を手に取ってみると魔法について書かれた本だった。

軽く目を通し読んでいると、村長に名を呼ばれた。慌てて、本を持ったまま向かうと思っていたよりも時間が経っており、村長は席に座り待っていた。


「おや、レシルその本・・・。」


「あ、ごめんなさい。ちょっと気になって読んだら、集中してしまって・・・。」


「レシルは、字が読めるんだね。それにその本は魔法について書かれている本だよ。お前が読んでも、分からないし楽しくないと思うけど。」


「確かに内容は難しそうでしたが、俺は面白いと思いましたよ。知らない魔法や便利な魔法がいっぱい書いてあって。」


レシルが楽しそうに笑いながら本の話をするので、村長は冒険者をやっていた時の事を思い出した・・・・。


読んでいただいてありがとうございます。

よければ、また読んでください。

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