第5話 アルシェ先生の生産講座②
すいません。色々間違えました。
*6/28(金) 前回のをそのままだったのを本来のやつに差し替えました。
第5話 アルシェ先生の生産講座②
幻想歴0年1月3日 第7幻想領域【幻虹之華園】
「後2つ生産系スキルには、効果があるんだよ。」
そう言って、アルシェは俺たちが更に百ほど焼いた後に、説明を再開させた。
「まず1つは、同じ製品を100作ると、イベントリの素材を消費して自動で作成してくれるオート機能だよ。」
俺とミヅキはステータスの【料理】スキルから、オート作成と言う欄を見つけた。
「ちなみに出来るものは、上位100品の平均の品質で出来上がるんだよ。」
なるほど確かに、この機能が無ければ、面倒な中間素材が必要だったりする、複雑な生産物のインフレが留まることを知らなくなっていただろう。さらにそこから、金を稼げる上位プレイヤーと初心者との装備や消耗品の格差も小さくなるだろう。
「最後の1つは、私が出来ないから口頭で説明するんだよ。
最後の1つは、鑑定系のスキルがまだ低いから分かりづらいけど、品質は、普通、0〜100%で評価されるんだよ。
だけど、偶にそれを超えると品質の物を作る事があるんだよ。それを、クリティカル生産と言って、本来ならあり得ない効果が付与されるんだよ。」
「つまり、この兎肉の串焼きは、空腹度を10回復するってあるけど、それにプラスアルファされるって事かしら。」
「その通りなんだよ。例えば、10分間STRが10%上昇するとかなんだよ。でもまあ、これには純粋にDEXとセンスがいるから、専門の生産者じゃないと無理なんだよ。本気で生産者をやるには、このクリティカル生産を100回成功させて、量産出来る人がやってるんだよ。」
ふむふむ、なるほど。流石に戦闘と両立させるのはおろか、他の関係ない生産スキル同士の両立も不可能だな。でもまあ、
「それでも、緊急時のために、生産スキルを習得する必要があるな。」
「そうね。特に私たちは、アルシェって言う厄ネタがあるわね。」
「その評価は流石に、心外なんだよ。」
「待て、それならここでアルシェが生産に集中したらどうなんだ?」
「無理なんだよ。私のステータスは、アオイに引っ張られて上がるから、DEXが悲惨すぎて、私の得意な魔術の並列使用も難しくて、涙が出そうなんだよ。」
「・・・・・・その、なんて言うか、すまん。」
焚火に向かい、淡々と兎肉を焼くアルシェの背中に、俺は何というか、居た堪れなくなった。
読んでくださりありがとうございました。
ぜひ、ブクマや感想、評価のほどをよろしくお願いいたします。
次回はちゃんと日曜日です。
あと、生産回はまだ続きます。




