第4話 アルシェ先生の生産講座
第4話 アルシェ先生の生産講座
幻想歴0年1月3日 第7幻想領域【幻虹之華園】
「はい、焼き終わったんだよ。」
そう言ってアルシェが、骨付きの兎肉を俺とミヅキに渡した。
「ありがとう、アルシェ。そう言えばアルシェは料理できるスキルなんか持っていたの?」
ミヅキが、感謝と共に疑問を言った。
「料理している間に獲得したんだよ。と言うよりも、別にスキルがなくても作り方さえ知っていれば、簡単なのは作れるんだよ。」
「じゃあ、私とアオイも作ってスキルを覚えることが出来るってことね。」
「うん、できるんだよ。」
俺は、ふと疑問に思いアルシェに聞いてみた。
「アルシェは、他にも作ることが出来るのか?」
「まあ、特殊な設備が必要じゃなければ【土魔術】で道具を作って、生産できるんだよ。」
その答えを聞き、俺とミヅキはお互いを見て頷いた。
「じゃあ、今日はアルシェに生産系のスキルを教えてもらって、過ごしましょう。」
「了解なんだよ。じゃあ、この大量にある兎の素材を使ってやるんだよ。」
そう言って、アルシェは一度焚火を消して、【土魔術】で先ほどの焚火よりも二回りほど大きな焚火を作った。
「じゃあ適当に焼いていれば【料理】のスキルが獲得できるんだよ。」
「えっと、適当でいいのかしら?」
「全然大丈夫なんだよ。失敗しても10回くらいやれば大丈夫なんだよ。」
アルシェが自信満々に言うが、流石に焚火での調理をしたことなんかないため、戸惑ってしまうが大丈夫だと断言したためやってみた。
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10分後
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まさかのミヅキが1回で成功し、俺も何とか4回目で成功して無事に【料理】スキルを獲得した。
「これで、もう1工程しかない料理は何をしても失敗しなくなったんだよ。」
「「・・・・・・・・・はい!?」」
「だから、品質はともかく絶対に食べられるものが切るとか焼くだけなら失敗しなくなったんだよ。」
「ええと、それがスキルの効果ってことかしら?」
「そうなんだよ。この通り。えい!」
そう言って、アルシェは兎肉を宙に放り、【火魔術】で爆散させた。
「ほらね。」
そう言って、落ちてきた兎肉ををキャッチしたアルシェがその肉を見せてきた。
確かに少し焦げているが、食べられそうな状態だった。
「生産系のスキルはこの通り、最低限の品質を保証してくれるスキルなんだよ。だから熟練度を上げれば、今のでも最高品質のものを作れるんだよ。でも、生産系スキルは他のスキルと違い、素材のレア度によって上げられる熟練度の上限が違うんだよ。あと、使う素材ごと、レシピごとにも違うんだよ。」
「なるほどつまり、金がかかるということなんだな。」
「その通りなんだよ。でも何度も高品質で成功していれば、熟練度は上がりやすいから完全にはその通りだと言えないんだよ。」
それを聞いた俺たちは、無言で兎肉をを焼く作業を再開させた。
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つまりこの世界の生産は、プレイヤーのリアルスキルとセンスが試されます。




