第51話 げんそく
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第51話 げんそく
第7幻想領域【幻虹之華園】
「がっ!はぁっ!ぁぁぁぁ!」
地面に叩きつけられた俺は、バウンドしながらもなんとか勢いを殺した。
「アオイ!」
俺が突き飛ばしたおかげか、何とか避けられたミヅキが、俺に向かって叫びながら駆け寄って来た。
「アオイ!生きてる!?」
「まあ、死にそうなほど痛いけど生きてるよ」
ぶっちゃけ痛すぎて感覚がなくなってきており、虚勢を張りながらも刀を杖代わりに立ち上がる。って言いうよりも、
「なあ、さっきよりも強くなっていないか?」
俺はそう、少女に問いかける。
「そうだよ。AGIがDEXの5ばいいじょうになったから、ぺなるてぃでせいぎょが、ほぼふかのうになったけど。こえたぶんだけこうげきりょくにかさんされるめりっとがあるんだよ」
「なるほどね。つまり今までの、アオイの意味が分からない攻撃力はそういうことね」
何とここにきて俺の攻撃力の謎が解けたみたいだ。やはり、攻撃力は質量×速さだった理由だ。だが、それでも俺の攻撃が効かないということは、まだ遅いと言うことか。
「「いや、それはないわよ(んだよ)!」」
どうやらしゃべっていたらしい。と言うよりも味方からもダメ出しを受けた。
「でも、もうそれしかないかもね」
「ああ、だからAGIのバフを!」
「ええ、『低位速度上昇』、『二重魔術 低位速度上昇』それに、これもおまけよ!『中位速度上昇』」
いやそれは、おまけじゃないだろう。だって、前の二つの倍近くあるぞ。でも、
「これで斬れるぞ」
「うん、そうだね。それなら、きられるんだよ。でもまけないんだよ」
言うと二人同時に駆け出した。あれ?すごいデジャヴ?
そうこう思っている内に、少女が目の前にいる。どうやら、ミヅキのバフがなくなったらしく、自身の体を制御できているらしい。
俺が急停止と同時に右足を下げ左から横一文字に刀を振るう。少女は、俺の右足に追いすがるが如く、滑り込み掌底を俺の左肘に打ち出す。
俺は避けるためにさらに左足を軸として右足をもう一度下げ、掌底をやり過ごしそのまま体当たりをして、俺の懐から押し出す。
しかし、少女は顔をしかめながらも口元に笑みを浮かべながら、
「『虹蝶楽園』」
それは、無慈悲な処刑宣告だ。気が付くと、少女の握りこぶしが、俺の目の前にまで迫ってきている。もはやこの段階では、刀で打ち返すのはおろか、避けることすら不可能だ。しかし、それでも!
「負けるっか!」
俺は、そのままヘッドバッドした。もちろん涙が枯れそうなほど痛いし、後ろに飛ばされる。何とか四つん這いになり正面を向くと、すでに少女は追撃の態勢に入っており、そのままとびかかって来た。今だ目では追えるが、まったくと言っていい程に体が付いてこない。
俺の目には最早、迫ってくる少女も白と黒の線にしか見えず、俺の体は水の中にいるかの如くゆっくりとしか動かない。いや、体の感覚すらも曖昧になっており、動かすのも苦痛だ。
ポーン『称号【過速者】の保持により、ギフトスキル【過速】が発現しました』
ポーン『ギフトスキル【過速】が、スキル【疾走】、【回避】、【格闘】、【突進】を統合、及び■■の保持の確認したため、幻想スキル【幻速】が開華しました』
AGIがDEXを超えたときに起こる現象まとめ!(ボスの娘が言ってたことを正しく解説します)
通常時は、 STR-その部位の防御力=ダメージ
超えたときは、 STR+(AGI-DEX×5)-{その部位の防御力(AGI-DEX×5)}=ダメージ
と言う風になり、且つ(AGI-DEX×5)の部分によって貫通属性を持つため、凶悪だが、そもそもとして制御できずに、自爆ダメが入って自滅にしかならない。QED
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