第50話 対抗策
前略、右手首折れました。(笑)
第50話 対抗策
第7幻想領域【幻虹之華園】
さて、カッコ良く啖呵を切ったものの、AGI差はミヅキのバフ込みで俺の3倍くらいだろう。ただでさえ低い俺のDEXでは、目でとらえることもできないだろう。まあ、18倍くらいあるからなあ。今はなんとなくで弾いているが、本当にギリギリだ。
「っ!なんで!みえないはず!なのに!」
「勘だ!」
「そんなの!めちゃくちゃ!」
少女は、驚愕しているが居ると分かればなんとかなるもんだ。だが、攻撃に転じられず、攻撃できたとしても、攻撃が利かない今ジリ貧で押し負ける。てか、
「ミヅキ!ヘルプ!」
「いや、流石にどう割って入ればいいのかすら、分からないわよ!」
「やっぱり!あなたが!いじょうなだけ!」
敵とは言え、少女に異常者扱いは心に来るものがある。
「こうなったら、一か八かよ!『低位速度上昇」」』、『二重魔術、低位速度上昇』を彼女に!」
「いったいなにをばきゃにゃーーーーーーーーー!?」
すっ転んだ。それはもう見事なまでの、ギャグアニメなら雪だるまになる勢いだ。だがなぜ?
「AGI超過。アオイを見ていると忘れがちになるけど、AGIに対してDEXが5分の1以下の時に起こる自己速度の認識不可。まあ、アオイのバカみたいなAGIを2倍して加算されている時点で超えてそうだったけど足りなそうだから、背中をちょっと押してあげただけよ」
「っく~~~!」
全身花びらまみれにしながら、少女は苦痛を我慢し立ち上がった。
「まだだよ!」
「あら、ロクに動けないのに、まだやるのかしら」
「うん。そうだよ。だから、まっすぐころんであなたたちをまきこむことにするんだよ」
「ミヅキ!」
少女がクラウチングスタートの構えをすると同時に、進行方向にいるミヅキを突き飛ばした。
「っがあぁぁぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
先ほどまで以上の速度で、転がってきた少女に跳ね飛ばされ、あまりの痛さに悶絶し受け身も取れず10M上空から落ちた。




