第49話 宣言
第49話 宣言
第7幻想領域【幻虹之華園】
「虹蝶楽園」
そのスキル名が聞こえると共に、俺は横に吹っ飛ばされた。
「アオイ!」
ミヅキの叫びが遅れて聞こえた。次に感じたのは地面にバウンドする、打撃音だった。そのまま転がり、行き追いを殺して体を起こすと、ミヅキも同じく吹き飛ばされて俺めがけて跳んできた。すぐさま立ち上がり、受け止めようとするが衝突して、二人仲良く転がった。
「いたたた」
「アオイ、大丈夫!」
「ああ、なんとか無事だ。だが」
「うん。これでみんななかよく、HP0だよ」
やっぱり、先程感じた痛みはそういう理由か。
「弾幕ゲーの次は無双ゲーって言うよりも、ちょっと無理ゲーじゃないか」
「うん、そうだね。ほんとうだったら、わたしのでばんはもっとさきだった。せめて、そうびとすきるのほせいがもとのすてーたすいじょうじゃないと、こんなふうにはなしにならないんだよ」
「なっ、まさか私たちのステータス分強化されたってことかしら」
「ちがうよ、それだけじゃない。あなたたちのかさんされたすてーたすぷらす100%だよ。だから、あなたたちはもうわたしのこうげきをみることもできない。こうげきをあてることもできない。もしきせきてきにあたったとしても、だめーじも0だからいたみもかんじない。だからもうつみだよ」
「もう、攻略させる気ないだろう」
そう言いながら、俺とミヅキは立ち上がる。
「そうだよ。わたしたちは、ふつうのぷれいやーにはぜったいにたおせないようになっている。わたしたちをつくったひとたちも、はんぶんはこうりゃくできないとおもうよ」
「いや、できる奴がいるだけで驚きだ。だが」
「そうね、本当にあり得ないと思うわ。でも」
「「これで勝ったら、すごく楽しいだろう(んじゃないかしら)!?」」
どうやら俺たちは、物凄く気が合うらしい。横を盗み見ると獰猛な笑みを浮かべるミヅキが見えた。そして、俺も同じ笑みを浮かべているのだろう。
「そっか、よかった。じゃあここからがほんばんだよ。なまえがないけどあらためてなのるよ。
わたしは、このはなぞののあるじにして、だいななげんそうのしゅけんしゃ、
しゅぞく、げんそうしゅ たいぷ―|概念色《concept・color》
あなたたちに、とどかないにじのげんそうをみせるもだよ」
「ジョブ戦士、種族人族、プレイヤー名アオイ!」
「ジョブ付与術師、種族獣人族、プレイヤー名ミヅキ!」
「「さあ、いくぞ(わよ)!」」
俺たち三人はそう宣言すると、相手に向かい駆けだした。
ようやく最終形態?です。あとちょっとで、この章は終わるはず!だといいなあ。




