第37話 大樹の迷宮 作戦会議
第37話 大樹の迷宮 作戦会議
幻想歴0年1月2日 大樹の迷宮 最上部 直下
少し日が傾いてきており、地上よりも高いため少し肌寒くなってきたが、
「まず、改めて私達のポジションとできることを、確認していくわよ」
と、ミヅキが作戦会議の音頭を、元気よくとった。
「了解だ。だが、いるであろうボスについてはどうするんだ」
「最悪、今回は勝てなくても、次回に生かすために戦うってから逃げるわよ」
結構現実的な意見だ。確かにボスなら二人で、攻略できる難易度ではないかもしれない。それなら、
「いや、俺一人なら偵察だけでもできるんじゃないか」
「それだと最悪ボスから逃げられなかったり、消耗品を消費するのが痛いわ。それに、アオイならパターンが読めるようになるまで、回避に専念すればいけるでしょ」
「ははっ、煽ってくれるな。そうだな、いけるだろうな」
「うん。期待しているわよ。さてと、話を戻すわよ」
「ああ、分かった」
「私は、付与術師と銘打たれているけど、純後衛じゃなくて前衛もできる中衛と言ったところかしら」
「そうだな。自分の身を自分で守ってくれるのはありがたい」
「じゃあ次は、アオイね」
「そうだな・・・・・・改めて言うと俺は回避盾タイプの前衛だろうな。魔術も一様使えるから、対空もばっちりだな」
改めて考えると俺は、すごい片寄っているな。
「まぁ、そうよね。一様作戦としては、始めはさっき言ったと通りに、ボスのパターンが分かるまでアオイが前衛で回避し続ける、私は安全圏からAGIとVITの付与魔術を切らさないようにする。アオイが、ボスの攻撃を読めるようになったら攻撃を開始する。そしたら私は、VITからAGIかSTRの付与魔術に変えて、チャンスがあれば攻撃に参加する、なければ付与魔術に専念する。そして、アオイが不意に攻撃を受けたら、私がアオイがポーションで回復するまでの時間を稼ぐ。こんなものでどうかしら」
「ああ、思ったよりよく考えられていて、いいと思う」
確かにこれなら何とかなりそうだ。だが、ネックになるのは、
「だが、俺が範囲攻撃などの一撃で死んだらどうする」
そうそうなのだ、問題があるとしたら、俺の紙装甲をボスの攻撃で、一撃死してしまう可能性だ。
「その時は運がなかったって言って、次は勝ちましょう。それでも負けたら、何度でも、勝てるまでやればいいわ」
ミヅキは、俺の意見をバッサリと切り捨てた。少し弱気になっていたかもしれない。
「愚問だったか。そうだな、それでも今回で勝つぞ」
と俺は、自分を鼓舞するつもりで、発破をかけた。
「ええ、それはもちろんよ。じゃあ、行きましょうか」
ミヅキもそれに乗り、微笑んで言って見せた。俺も覚悟を決めると、上へと木を登って行った。




