第31話 大樹の迷宮 探索開始
本日2話目です。もう一つの方はまあ今読まなくても問題ありません。1章のエピローグくらいまでは、放置しますので。
第31話 大樹の迷宮 探索開始
幻想歴0年1月2日 大樹の迷宮 下層部
皆さんは、ジャングルジムと言う遊具を、ご存じだろうか?鉄の棒が立方形に規則正しく並び、上の方は少し小さくなっている奴だ。まあ、場所によっては、歯抜きの形で仲が迷路になっているものもある。
今回は、そちらをイメージしていただきたい。そう、俺たちが踏み入れた大樹の迷宮なる場所は、鉄の棒ではなく木の幹と枝、それと大きさを大体天井を3倍、一番上は50Mくらいあるだろうか。通路の幅は人が4人は並んで通れるくらいだ。
「なんて言うか、木々の間の木漏れ日が気持ちいいわね」
「ああ、そうだな。早朝の散歩にはちょうど良さそうだ」
なんとも心休まる光景だった。だが、ここを登るとなると話は別だ。
「さて、これは上に行けということか。でも・・・」
「ええ、そうね。その辺枝から枝に飛び乗るしかないんじゃないかしら」
「地上部はともかく、上の枝では落ちたら一貫の終わりだな」
そうなのである。地上での通路は、普通に戦闘できるくらいのスペースがあるのだが、枝の上では基本的にその半分しかないし、場所によってはそれよりも少ない。つまり、回避前提の俺は、ちょっと戦闘がしにくい。
「一度、この辺で戦ってみよう。それから無理そうなら、なるべく敵を避けて行くしかないだろう」
「そうね。アオイの今のAGIなら余裕よね」
「ああ、そうだな」
ちなみに、これが今の俺のステータスである。
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名前 :アオイ
性別 :男
レベル:11
ジョブ:戦士ファイター
HP :280/280
MP :260/260
AP :1,050/1,050
STR:21(+20)
VIT:12
DEX:16
INT:13
AGI:72→84
LUK:13
BP :12→0
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そう、ついにAPが1,000を超えたのだ。AGIもあと4レべで100になる。そして、外の敵を鑑定したところ、レベルと残りHPが%で表示されるようになり、外の適正レベルに達したのだ。ちなみに、カブトムシたちは、レベル8~10の間であった。なので、この迷宮敵も10~15くらいではないかと考えている。
「丁度来たな」
「ええ、そうね。数は・・・・・・3かしら。どうするの?」
「そうだな、俺一人でやってみるよ」
「了解したわ。バフはいるかしら」
「いや、大丈夫だろう。見ていてくれ」
そして、俺たちの前には、足が巨大化し金槌にトゲがついたバッタが現れた。カブトムシより一回り大きいな。
「鑑定」
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戦槌飛蝗×3
レベル:11
HP :100%
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ドッ!ドッ!ドッン!!
3体は、連続して俺を目指して飛んできた。俺は、斜め後ろに飛び、回避して、
「『初動加速』」
はじけるように前に飛んだ。この技は、走行状態でないとき、消費APに比例して加速距離をなくすことができ、このように狭い空間や緊急時に使える、優良技だ。
「ハァッ!」
いきなり、目の前に現れた俺になすすべなく、1体目と2体目のバッタが、首を落とされて、ようやく3体目が俺に気が付き、今一度飛んだ。
しかし、それを予期していた俺は、3体目が飛ぶのより先にジャンプして、空中で待ち構え1体目と2体目と同じく首を落とした。
「よし問題ないな」
「そうね、これならいけそうね」
俺たちは、これなら余裕を持って探索できると確信し、上に登ることのできそうな枝を探し始めるのだった。




