第22話 武虫の森林にて 油断大敵
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第22話 武虫の森林にて 油断大敵
幻想歴0年1月1日 武虫の森林
さて、俺たちはテントウムシもどきを殲滅するという、使命のもと武虫の森林に戻って来た。ちなみに、鑑定をミヅキに使ってみたら、名前とHPゲージを見ることができた。まあ、正直微妙だったけど、これからの成長に期待したいと思う。
俺が、実験結果を考えていると又もや、ミヅキの狐耳がピクンと動いた。
「アオイ!今度は、正面から数は目視にて3!」
「了解!速攻で倒すぞ」
「待って、1体残しておいて、薙刀のスキルを獲得したいわ」
「分かった、最後尾の1体残しておくぞ」
そう言うと、俺も目視できる距離まで、敵が迫っていた。今度の敵は、工事現場のヘルメットをかぶった、体長1ⅿくらいのコミカルなアリだった。一列に突っ込んできたので、俺はウサギ狩りの要領で、横に避けて刀で首を両断した。
「なに!」
しかし、すぐには、ポリゴンにはならず、俺のほうにはねてきた。すかさず後方に飛んで、事なきに終えたが、2体目の突進をもろにくらってしまった。
「がはっ!」
俺は、5ⅿ程飛ばされ、地面を転がった。俺は、身の危険を感じると、そのまま横に転がった。
ドシン!
どうやら追撃で、のしかかろうとしたらしい。コミカルな見た目のくせにえげつない。油断なく構えていると、また、突進してきたので、すれ違いざまに今度は、右の足を三本切った。すると、アリは体勢を崩し転がった。すかさず首を落とした。今度は、最期の悪あがきはなかった。
「そうだ、ミヅキは」
「こっちも終わったわよ」
どうやら、木々を迂回して最後尾の1体だけ引き付けて、戦っていたらしい。
「って、アオイ!HPヤバイんじゃな!」
「?あっ、ほんとだ。結構くらったな。一撃しか当たってないのに」
俺は、ミヅキに指摘されてHPを見ると、4割を切っていた。
「アオイが、ダメージくらうのって初めてかしら」
「そうだな、まさか首を切っても動くとは思わなかった」
「ああ、それで。やっぱり2体相手はたいへんだった?やっぱり二人で戦ったほうがよかったかしら」
「いや、慣れればそうでもない。次は、大丈夫だろう。そういえば、HPって自然回復するのか?」
「確か、座っていると1分に1%回復するわよ。待ってみる?」
「いや、時間がもったいない。ポーションを使って先に行こう」
そう言うと、ポーション飲んでみた。味のほうは、苦めのさらさらとした抹茶味だった。HPはもともと低いので、1本で全快した。
「さて、これでよし」
「あっ、そういえば薙刀スキルをとれたわよ。これで私もちゃんと、近接戦闘に参加できるわ」
「そうか、流石に今の俺だと、3体までならいけそうだが、4、5体となると逃げるしかないと思ったからな」
「なら、良かったわ。でも、帰ったらちゃんとアオイの防具を買いましょう。流石に、一撃で半分以上は、私が怖いわ」
「分かった。なるべく善処する」
「本当よ。分かったわね」
俺は、気まずげに頷き、先頭を行くミヅキについていき、俺たちは、先に進んだ。
その後も、アリばかり出てきて、、テントウムシもどきと遭遇することなく50体くらいのアリと戦った。そして、慢心なく戦闘に挑めば、4体でもなんとかなるようになった。
そして、日が沈み、森林に夜がやってきた。




