第17話 武虫の森林へ
第17話 武虫の森林へ
20XX年8月1日 埼玉県 東雲家 自室
「ハッ!俺は・・・・・・いったい何があった。いや、確か、朝食を、うっぷ」
そうだ、朝食を食べ、自室に戻りそのまま意識を、失ったのか。そうか、俺は辛うじて、姉の料理に勝ったんだな。今の時間は・・・
「やばい、9時半過ぎてる」
俺は、時計を見るや否や、VRマシンをかぶり、ゲームにログインした。
幻想歴0年1月1日 空中浮遊都市 ヴェント 中央大広場
「遅い!いったい、何していたのよ!」
ログインした俺を、待っていたのは、怒り心頭のミヅキさんだった。獣耳と尻尾が逆立っていて、普通に怖い。
「すまない。どうやら、朝飯が食あたりを起こしたみたいで、少し気を失っていた」
「えっ、そ、それ大丈夫なの!?今日は、もう休んだ方がいいんじゃないのよ」
「いや、一眠りしたから、もう大丈夫だ。だから、これから武虫の森林に、行くぞ」
「分かったわ。でも、体調が悪くなったら、ちゃんと言うのよ。いいわね」
怒りから、一転本気でミヅキは、オロオロと心配して来た。怖いとか言って、ごめん。
「いや、本当に大丈夫だ。もう、やれt・・・・・・なんでもない」
「いや、でもなれたっ「問題ない」ああ、うん、分かったわ」
(でも、アオイの家が、怖いわ)
閑話休題
幻想歴0年1月1日 空中浮遊都市 ヴェント近郊 風の草原
「さて、風の草原に戻って来たけど、これからどうするのよ」
「このまま、北に移動する。そして、人気の無いところまで移動したあと、ミヅキを担いで、武虫の森林を目指す」
「まぁ、それが妥当だけれど・・・・・・私は、荷物か何かなのかしら」
「・・・・・・」
「ちょっとそこ、黙らないの!」
「そ、そんなことないぞ。早く着くために、付与術を掛けたり、進行方向の修正とか、ほら色々あるだろ」
「わぁ、取って付けたような言い訳を、ありがとう」
「よし、行くか」
俺は、ジト目で見てきた、ミヅキを無視して、そう言うと、走り出した。
「ちょっと、アオイ!逆方向よ!逆!」
・・・・・・逆だった。




