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ファンタジー・ゼクスワールド・オンライン ~六界幻想~  作者: 探偵時計
第1章 胡蝶は幻想的な虹色の夢をみる
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第15話 リアルに起こされる

第15話 リアルに起こされる


幻想歴0年1月1日 空中浮遊都市 ヴェント 中央大広場


俺たちが、買い出しを済ませて、武虫の森林に行くために、ヴェントの中央大広場にあるポータルへ着いた。

ちなみに、ポータルというのは、この空に浮かんでいるヴェントと、地上をつなぐ魔法的な装置らしい。ポータルは、門になっており、入る時は、門の表側、出る時は、門の裏側に出る。このため、行き来による混雑も少ない。


「あっ、ヤバイ」

「?どうしたんだ?」

「いや、そろそろ7時で、今日は私が、朝ごはんを作らなくちゃいけないのよ。だから、その、えーと・・・・・・」

「ああ、分かった。じゃあ、俺も朝飯を食べてくる。9時半にまたここに集合で、いいか?」

「ええ、分かったわ。ありがとうね、アオイ、それじゃあまたね」


そう言うと、ミヅキは、申し訳なさそうに、ログアウトして行った。

俺も、ミヅキがログアウトするのを見てから、ログアウトした。



21XX年8月1日 埼玉県 東雲家 自室


「ふぅ」


俺は、仮想現実から現実に戻って来た。ヘッドギアを外し、ベッドから体を起こした。


「ああ、それにしても本当に、現実と変わらない世界だったな」


俺が、ファンタジー・ゼクスワールド・オンラインの事を、思い馳せていると、


「弟よ〜。朝ごはん、できたからねえ〜」


と、階下から姉が俺を呼んだ。一昨日から、両親は夫婦旅行に出かけていた。そのため、今は、俺と姉の二人だけである。?ん?姉と二人・・・・・・と言うことは、姉が料理した・・・・・・あねがりょうりした・・・・・・ヤバイ!うちの姉は、確かにおかしな身体能力を有していて、何事も卒なくこなす。料理も、確かに見た目も、匂いもいい、作っている姿なんかプロが作っているように、かっこいい。但し、味の方は、月とM78星雲ほど遠いと行っても、過言ではない。

つまり、俺の味覚と胃袋がヤバイ。

と、俺が思い悩んでいると、


「弟よ。まだかねえ」


再び階下から、死神と催促が来た。

俺が一体何をしたと言うんだ。








ああ、朝飯作ら(なにもし)なかったからか。

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