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異常な欲望
ほんの少し、いくつかの避けようのない出来事で、私の中の何かが壊れ、そして全てがおかしくなっている。
世間のいうところ、きっと私は異端で異常なのだろう。
勉強や青春が嫌いなわけではない。むしろ好きなほうだ。
私、無楽園子は、18歳にしてようやく私立の高校に入学することができた。
人見知りはしない。
……ただ、私は上っ面だけで生きている。
欲望を奥底に隠して、息をひそめている。
そうしなければ、私はたちまち『人』と認識されなくなるだろう。
知っている。わかっている。自分がなんなのかを。
問わない。
ひとつの欲望。
それは、無意識に生き物を殺したくなる、『殺生欲』。
この物語は、 たったひとつの欲望を常に抱えた、ありふれた女子高生の話だ。